
事務所の床材として多く使われるのが「タイルカーペット」です。タイルカーペットは施工や取り外しが簡単で、デザインや色のバリエーションが豊富です。また、事務所の用途や機能に合わせて、自由に選ぶことができる点も特徴です。
この記事では、事務所にタイルカーペットを敷く主なメリットを6つ紹介します。また、選び方やポイントも解説していますので、事務所にタイルカーペットの設置を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
事務所用のタイルカーペットとは?

事務所の床材として、利便性の高いタイルカーペットが広く採用されています。以下では、事務所用のタイルカーペットについて詳しく解説します。
そもそもタイルカーペットとは?
タイルカーペットとは、タイル状にカットされたカーペットのことです。50cm四方のカーペットを敷き詰め、一枚のカーペットのように見せることができます。
タイルカーペットのメリットは、設置やメンテナンスがしやすいことです。専用の床用ボンドで接着するため、設置作業は業者に頼まずに行うことも可能です。また、もしカーペットの一部が汚れてしまった場合でも、その部分だけを交換すればよいのでメンテナンスも簡単です。
また、製品によっては防炎や防音、制電などの機能を持ち、安心で安全な職場環境を整備することができます。さらに、タイルカーペットはデザインやカラーバリエーションが豊富で、事務所のゾーニングや視覚的なエリア区分を簡単に作ることができるのも魅力です。
カーペットとラグの違い
カーペットとよく比較されるものに「ラグ」があります。ラグとは、装飾的な意味合いが強い敷物や織物のことを指します。カーペットとラグは似ていますが、主な違いは使用される範囲です。
カーペットは通常、部屋全体(少なくとも3畳以上)に敷かれ、防音や断熱効果が高いのが特徴です。
一方、ラグは部屋の一部(3畳未満)に敷かれるもので、部屋にアクセントを加えることが目的です。例えば、家具の下や特定のスペースに敷くことで、インテリアに変化をもたらします。ラグは部屋全体に敷くものではないので、カーペットよりも敷設が簡単です。
このように、カーペットとラグは設置範囲や目的が異なるため、用途に応じて使い分けましょう。
事務所用と家庭用の違い
カーペットには、家庭用と事務所用で異なる特徴があります。家庭用のタイルカーペットは、柔らかさやデザイン性が重視されます。事務所用に比べて歩行量が少ないことや、快適でおしゃれな空間を演出することに重点が置かれるためです。
そのため、家庭用のタイルカーペットはデザインやカラーバリエーションが豊富で、インテリアに合わせて自由に選ぶことができます。
一方、事務所用のタイルカーペットは、耐久性や防音、防電、制電などの機能性が重視されます。多くの人が往来する場所での使用が想定されるため、これらの機能によって安全な職場環境を作り出すことが求められます。
また、家庭用のタイルカーペットは置くだけで簡単に設置できますが、事務所用のタイルカーペットは、ズレてしまうと歩行者の転倒につながる可能性があるため、床用ボンドで床に接着するのが一般的です。
事務所にタイルカーペットを敷くメリット

事務所に敷くカーペットにはさまざまな種類がありますが、中でもタイルカーペットを敷設する主なメリットを6つ紹介します。
施工と取り外しが簡単
タイルカーペットの施工は、他のカーペットに比べて簡単です。貼り方にはさまざまな方法がありますが、接着剤を使って床に接着する場合、貼る場所を清掃し、接着剤を全面に塗った後、市松貼りや流し貼りなどの方法で貼り付けます。
完璧な仕上がりや細かな凹凸が気にならないのであれば、業者に任せず自身で施工することも可能です。ただし、接着剤で一度貼り付けると、修正が難しいため注意が必要です)。
また、ヘラを使ってカーペットの角を持ち上げると、手でも簡単に剥がすことができます。
部分的な交換が可能
施工や取り外しが容易であることは、メンテナンスの手軽さにもつながります。特に、飲食店や商業施設では、カーペットに油が付着して汚れたり、引っかけて破損したりすることがよくあります。
修復が難しい汚れや破損の場合でも、汚れた部分だけを取り外し、新しいタイルカーペットを敷くだけで済みます。さらに、タイルカーペットは1枚あたりの価格が比較的手頃で、低コストで交換できるのも大きなメリットです。
デザイン性とゾーニング
タイルカーペットは50cm四方のカーペットを組み合わせて敷き詰めていくため、デザインやカラーのバリエーションが豊富で、自由にカスタマイズが可能です。
事務所内でタイルカーペットをうまく活用することで、視覚的にエリアを区分できます。例えば、ワークスペースと休憩室で異なるデザインを使うことで、間仕切りなしでもエリアを明確に分けることができます。
デザイン性を高めたり、カーペットを活用してゾーニングを行いたい場合に、タイルカーペットは有効です。
防音・吸音効果
タイルカーペットの中には、防音効果や吸音効果のある製品があります。これを使用することで、歩行音や下の階への音の反響を抑えることができ、静かなオフィス環境を作り出すことが可能です。
特に防音効果が求められる会議室では、タイルカーペットの遮音性が役立ちます。会議の内容が漏れたり、歩行音で集中力が削がれたりするのを防ぐために、タイルカーペットは重要な役割を果たします。
ホコリの飛散防止
フローリングの事務所では、歩行時にホコリが舞い上がり、空気を汚すことがあります。タイルカーペットを敷くことで、空中のホコリを吸着し、飛散を防ぐことができます。
実際に、日本カーペット工業組合の2013年の調査によれば、フローリングに比べて、カーペットのハウスダストが舞い上がる量は1/10(最大で1/20)に減少したとのことです。
歩行量が多く、ホコリが舞いやすい事務所では、アレルギー対策としてタイルカーペットを含めたカーペットの利用が効果的です。
保温効果
タイルカーペットには、保温効果のある製品もあります。断熱機能を持つカーペットは、室内の熱が外へ逃げるのを防ぎ、省エネ効果も期待できます。
そのため、タイルカーペットを敷くことで暖房の効率が向上し、電気代の節約にもつながります。デザインや施工だけでなく、経済的な面でもメリットがあるのです。
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事務所用のタイルカーペットは、製品によって効果や機能が異なります。以下では、事務所に敷くタイルカーペット選び方のポイントを解説します。
パイルの種類
パイルとは、カーペットの表面を構成する糸の束です。タイルカーペットには、主に以下の3種類のパイルがあります。
- ループパイル…先が丸く輪の状態(ループ状)になっているパイル。弾力があって耐久性が高く、歩行量の多い階段や廊下などでよく用いられる
- カットパイル…輪の部分をカットし、表面を切り揃えたパイル。ループパイルより耐久性が劣るものの、やわらかい肌触りが特徴で、応接室のような快適な空間を演出したい場所に適している
- カット&ループパイル…カットパイルとループパイルを組み合わせたパイル。2種類の形状を組み合わせることで、耐久性を高めつつ、やわらかい肌触りを実現している
設置場所や目的によって最適なパイルの種類は異なるため、用途に応じて種類を選びましょう。
素材
タイルカーペットに用いられる素材には、さまざまなものがあります。タイルカーペットに用いられる代表的な素材は、次の通りです。
- ナイロン…耐久性や耐摩耗性に優れているが、価格が比較的高め。長期間の使用に適している
- ポリエステル…ナイロンに次ぐ耐久性があり、保温効果もある。一方、毛玉や遊び毛が多い
- ポリプロピレン…低価格で耐摩耗性があるが、耐久性には劣る
このように、素材によって特性が異なるので、空間の目的や歩行量などを考慮して選びましょう。
機能性
タイルカーペットには、多様な機能があります。例えば次のような機能を持つ製品があります。
- 防炎機能…火災のリスクを軽減し、法規制に対応する
- 制電機能…静電気の発生を防止し、電子機器の誤作動や故障などを防ぐ
- 防音・遮音機能…足音や騒音の発生を軽減し、静かな環境を作り出す
- 撥水・防汚機能…汚れがつきにくく、清掃がしやすくなる
- 防ダニ・防虫機能…ダニや虫の発生を抑制し、清潔な環境を保つ
特に、電子機器の設置が多い事務所には、制電機能を持つカーペットがおすすめです。
色・デザイン
タイルカーペットの色やデザインは、事務所の部屋の用途や雰囲気に合わせて選びましょう。例えば、明るい雰囲気を演出したい場合はホワイト系、シックで落ち着いた空間にはブラック系がよいでしょう。
また、1つのフロアでもワークスペースと休憩スペースを異なるフロアデザインにすることで、視覚的にエリアを分けることができます。デザインの工夫によって、簡単に空間の雰囲気や機能を変えることが可能です。
耐久性
事務所の人の往来が多い場所では、耐久性の高い素材が求められます。例えば、ロビーや廊下ではナイロン製のタイルカーペットが適しています。
反対に、使用頻度が低い倉庫や備品保管庫では、コストを抑えるためにポリエステルやポリプロピレン製のタイルカーペットでも十分でしょう。
事務所でタイルカーペットを設置する際のポイント

事務所にタイルカーペットを設置する際には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。ここでは、事務所でタイルカーペットを導入する際に知っておきたいポイントを紹介します。
エリアに適したタイルカーペットを選ぶ
タイルカーペットは、設置するエリアに合わせて選びましょう。例えば、会議室のような活発な議論や新しいアイデアが求められるような場所には、黄色やオレンジといったビビッドカラーがおすすめです。反対に執務室には、従業員が業務に集中できるよう、静けさや落ち着きをもたらすグレーが適しているでしょう。
オフィス全体の印象は、家具とカーペットの組み合わせによって大きく変わります。会議室、執務室、休憩室など、それぞれの用途に応じた機能性やデザインを考慮してカーペットを敷きましょう。
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タイルカーペットのおしゃれな配色例・組み合わせ例!色が与える効果も解説事前に配線をスッキリさせる
タイルカーペットを敷く前に、配線を整理することも大切です。配線がむき出しだと、せっかくのタイルカーペットのデザインが台無しになりかねません。
ケーブルトレーや配線ダクトを使用して配線を整えることで、足元をすっきりとさせ、安全性も向上します。配線を見えないようにすることで、見た目だけでなく、安全性も向上します。
事前にゾーニングの計画を立てる
タイルカーペットを設置する前に、事務所内のゾーニングを事前に計画しましょう。ゾーニングとは、事務所内のエリアごとに機能や用途に基づいて空間を区分けすることです。
計画なしにタイルカーペットを敷くと、事務所の使い勝手やメンテナンス性に問題が出る場合があります。例えば、耐久性を軽視してデザイン重視で選んでしまうと、メンテナンスに想定以上の費用や工数がかかる可能性もあります。
湿度が高い場所を避ける
湿度の高い場所では、タイルカーペットにハウスダストやダニが発生しやすくなり、アレルギーのリスクが高まります。トイレや給湯室など湿度が上がりやすい場所には、タイルカーペット以外の床材を検討するのがよいでしょう。
また、風通しをよくしたり、除湿器を活用して湿度を下げる工夫も効果的です。
おすすめ事務所用タイルカーペット

スミノエでは、オフィス向けに多彩なタイルカーペットを取り揃えています。ここからは、スミノエの事務所利用に適したタイルカーペットを3つ紹介します。
EXシリーズ
「EX(ECOS NEO™)」シリーズは、従来の「ECOS®(エコス)」シリーズに、パイル表面にも環境に配慮した材料をプラスし、より再生材比率を高めたタイルカーペット製品です。
EXシリーズの1つ「EX-1000 REFLECTOR」は、繊細な光の反射をモチーフにした小粒のパターンで、無地感覚で使用でき、他の商品との組み合わせる際に相性がよいのが特徴です。また「EX-1100 PRISM」は、プリズムの光の屈折をイメージしたコントラストの強い大柄デザインで、空間にアクセントを加えられます。
両製品とも、環境への配慮と洗練されたデザインを兼ね備えており、さまざまなオフィス空間に対応できます。
EXシリーズSCENERY SOUND
SCENERY SOUNDは、床面を長方形でさまざまにデザインし、空間を演出できるタイルカーペット製品です。
例えば、シリーズの1つである「ID-1000EP PIGMENTS」は、シンプルでありながら深みのあるテクスチャーで、さまざまな空間に合う豊富な色合いをもっているのが特徴です。また「ID-1100EP AQUASTROKE」は、糸のミックスにより粒感があるPIGMENTSに、チップシェアをプラスしたタイルカーペットです。
タイルカーペットの敷設によるデザイン性を重視したい場合は、SCENERY SOUNDが適しています。
SCENERY SOUNDLXシリーズ
LXシリーズは「Future MODERN」をテーマにした、現代的かつ次世代のオフィス向けタイルカーペットです。シャープな無地調パターンと無彩色を中心としたナチュラルカラーが特徴で、さまざまなオフィス空間にマッチします。
LXシリーズには、ストライプ、ランダム、チェック、幾何学模様など多様なデザインがあり、それぞれ独特の雰囲気を演出しています。抗菌・抗ウイルス加工や環境に配慮した素材を使用した商品もあるのが特徴です。
シンプルさと深みを兼ね備えたデザインは、柔軟で魅力的な空間創出を可能にします。
LXシリーズ事務所にはタイルカーペットがおすすめ

タイルカーペットは、施工や取り外しが簡単でメンテナンスがしやすいほか、デザインや色も豊富です。
株式会社スミノエは、ビジネスユーザーに使用されるカーペットを取り扱っている会社です。SUMINOE GROUPは創業140年を超える歴史の中でたしかな品質のカーペットを製造しており、スミノエではお客様に喜ばれる製品を販売し続けております。
また、スミノエでは、ビジネスユーザー向けに多様なカーペットを製造、販売しており、事務所用のタイルカーペットのお取り扱いも豊富にございます。事務所用のカーペットをお探しの方は、ぜひ以下の商品カタログをご覧ください。