タイルカーペットも原状回復の対象になる?気になる費用相場や注意点まで解説

原状回復とは、オフィス契約が終了し退去する際に必要な工程のことで、入居前の状態に復元する必要があります。入居前からタイルカーペットが貼り付けられていた場合、原状回復の対象となるため、元の状態に戻さなければいけません。

ただ、原状回復に関する基礎知識を理解せずに進めてしまうと、余分なコストが発生してしまいます。

この記事では、タイルカーペットをキレイに剥がす方法や原状回復をトラブルなく進めるポイントを紹介します。原状回復にかかる期間についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

タイルカーペットは原状回復が必要?

結論、自社ビルではない場合、タイルカーペットも原状回復の対象となるため、撤去もしくは復元する必要があります。

一方、重量物による床のへこみや壁の電気焼けなどは「通常損耗」や「経年劣化」としてカウントされるため、原状回復の義務はありません。

原状回復の要件や対象範囲は、賃貸借契約書や特約であらかじめ決められています。

原状回復をトラブルなく進めるためにも、タイルカーペットを剥がす前に契約に関する書類を確認しておきましょう。

タイルカーペットの剥がし方

原状回復を進めるためには、タイルカーペットをオフィスから剥がす必要があります。

床に傷や汚れを残さないためにも、タイルカーペットの正しい剥がし方を知っておきましょう。

  1. タイルの一部分からそっと剥がす
  2. タイルの端を持ち上げる
  3. 接着剤の処理を行う
  4. 床面のクリーニングを行う

1.タイルの一部分からそっと剥がす

タイルカーペットを床から剥がす際は、一部分からそっと持ち上げましょう。一気に剥がそうとすると、接着剤や生地が床面に残りやすくなり、除去する際の手間が増えてしまうため丁寧に剥がします。

2.タイルの端を持ち上げる

タイルカーペットの一部分を剥がしたら、端からタイル全体を持ち上げましょう。端からゆっくり剥がすことで、接着剤や粘着テープが床に残りにくくなります。

3.接着剤の処理を行う

タイルカーペットを床から剥がしたら、続いて接着剤の処理を実施しましょう。

オフィス用のタイルカーペットは家庭用とは異なり、基本的に滑り止め加工のないタイプを使用しており、接着剤で固定しているケースが多いです。

床についた接着剤を剥がすためには、剥離剤(接着剤を軟らかくする薬剤)を使用するか、もしくは専門業者に依頼をする必要があります。

専門業者に依頼する場合、その分コストが発生するため、退去費用として事前に予算に組み込んでおきましょう。

4.床面のクリーニングを行う

タイルカーペットと接着剤を除去したら、最後に床面のクリーニングを行いましょう。オフィスを借りて日が浅い場合は、目に見える汚れや接着剤が残っていないことも多く、床面のクリーニングは必要ないケースもあります。

一方、長期間使用していた場合は、長年蓄積した汚れが溜まっている可能性も考えられます。オフィスの退去を問題なく進めるためにも、床面のクリーニングまで確実に行いましょう。

タイルカーペット以外に原状回復が求められる範囲

タイルカーペット以外にも、原状回復が求められる設備を理解しておかないと、退去時に管理会社から指摘されてしまう可能性があります。

余分な工数やコストをかけないためにも、原状回復で求められる具体的な項目を確認しましょう。

  • 壁・クロス
  • フローリング
  • 電気設備
  • オフィス全体

壁・クロス

壁・クロスも原状回復の対象で、張り替えや再塗装に時間を要する可能性があります。装飾品や棚を取り付けるための穴や、故意な行動による傷は、オフィス入居前の状態に修復する必要があります。

ただし、壁・クロスの原状回復は、オフィス機器や備品を全て外に出さないと進められません。作業完了が退去ギリギリにならないためにも、壁・クロスの原状回復もあらかじめスケジュールに入れておきましょう。

フローリング

壁・クロスと同じく、フローリングも原状回復の対象となります。

ただし、一般的な賃貸の場合、直射日光によるタイルカーペットの変色・退色や自然な劣化は、原状回復の対象外です。

原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること 引用:国土交通省「原状回復ガイドライン」P12

オフィスにおける賃貸契約の場合、特約事項として原状回復が義務付けられている可能性もあります。

フローリングの原状回復は「張り替え」が基本となります。想定以上の費用と手間が発生しかねないため、退去前にしっかり認識しておきましょう。

電気設備

オフィス入居後に設置した電気設備は、退去時に取り外す必要があります。壁・クロス・フローリングのように清掃や交換作業は発生しませんが、設置するために空けた穴や傷は修復の対象です。

また、電気設備を外したあとに配線やスイッチに不具合が発生すると、原状回復義務の対象となるため注意が必要です。

オフィス全体

原状回復を完了させるためには、壁やクロス、フローリングなどオフィス全体の設備を元の状態に戻さなければいけません。

オフィスにある機器や設備の撤去が完了したら、クリーニングを実施しましょう。

ただし、原状回復の範囲に含まれていない部分まで実施してしまうと、余分なコストが発生してしまいます。原状回復の範囲を事前に確認したうえで、作業をはじめましょう。

原状回復の必要がないもの

賃貸借契約書・特約内容によっては、原状回復の対象外となる項目が存在します。

不要なコストをかけないためにも、原状回復に必要がない項目も併せて確認しておきましょう。

  • 通常損耗
  • 経年変化
  • 賃借人の責めに帰することができないもの

通常損耗:通常の生活で生じた設備の傷や汚れ

通常損耗とは、通常の生活を続けた結果生じた設備や傷や汚れのことを指します。

以下のような通常損耗は、賃貸借契約書・特約内容に記載されていない限り、原状回復する義務はありません。

  • 床のワックス跡
  • 機器や設備による床のへこみ
  • 水回りの汚れ
  • エアコン設置による壁の穴
  • 電気設備による電気ヤケ
  • 判断に迷う場合は、自己判断で原状回復を実施する前に、オフィスの管理会社へ問い合わせて確認しましょう。

    経年変化:年数が経過したことで生じた変化

    経年変化とは、年数の経過によって生じるオフィスの内装状態の変化を指します。

    直射日光による床の変色や退色、湿気による窓枠の変形、痛みは「経年劣化」と判断されるため、原状回復の対象外となります。

    賃借人の責めに帰することができないもの

    通常損耗や経年劣化以外でも、「賃借人の責めに帰することができないもの」はあります。「賃借人の責めに帰することができないもの」とは、具体的には「自然災害による損傷・設備の故障」が該当し、原状回復の対象外となるものです。

    賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。 引用:民法606条第1項「賃貸人による修繕等」

    落雷や地震によりオフィスの壁などが損傷したり、傷がついたりした場合、自然災害によるものと証明するためにも、速やかに管理会社に報告しましょう。

    原状回復にかかる期間

    オフィスの原状回復にかかる期間は面積や設備の量によって変化します。最低でも1カ月以上の期間を見込んでおきましょう。

    オフィスの原状回復は、以下の流れで進めます。

    1. 施工業者の選定
    2. 現地調査・退去に関する打ち合わせ
    3. 発注金額・スケジュールの確定
    4. 着工・引き渡し

      原状回復は契約期間が満了するまでに完了させる必要があります。延滞金や更新料を発生させないためにも、余裕のあるスケジュールを組みましょう。

      原状回復工事の注意点

      原状回復工事を進める際の注意点を理解しないと、余分なコストやトラブル発生の原因となります。

      ここでは、原状回復を進める際の注意点を5つ紹介します。

      • 契約内容の確認をする
      • 事前に写真を撮っておく
      • 専門家のアドバイスを受ける
      • 余裕をもった計画を立てる
      • 業者の選び方に気を付ける
      • 契約内容の確認をする

        原状回復工事を進める前に、賃貸借契約書・特約の内容を確認しましょう。

        確認せずに作業を進めると、本来原状回復が必要な箇所を見落とす可能性があります。また反対に、原状回復が不要な範囲の部分を工事すると、想定外のコストが発生してしまいかねません。

        施工会社や管理会社と打ち合わせする際は、契約内容の確認も一緒に実施しましょう。

        事前に写真を撮っておく

        これからオフィスの賃貸契約をする方は、入居前にオフィスの内観を写真で保存しておきましょう。入居前に撮影しておくことで、退去時に身に覚えのない穴や傷が見つかった際のトラブルを防止できます。

        写真を撮影する際は、「◯◯年◯月◯日」と書いた付箋を対象の部分に付けると、信憑性が増します。

        専門家のアドバイスを受ける

        一般的な賃貸と異なり、オフィスの賃貸の場合は専門的な知識や経験が必要です。トラブルなく退去するためにも、専門家のアドバイスを受けながら進めましょう。

        コスト削減のために社員だけで撤去作業を進めてしまうと、退去時にはなかった傷などが発生し、管理会社から指摘されるリスクが高まる可能性があります。

        オフィスの退去を進める際は、原状回復やオフィス移転を専門としている業者に相談した方が安全でしょう。

        余裕をもった計画を立てる

        オフィスからの退去が確定したタイミングで、余裕のある計画を立てておきましょう。無計画で原状回復作業を進めてしまうと、契約満了時までに退去が間に合わなかったり、想定以上のコストがかかったりします。

        また、オフィスの面積や状況によっては、専門家でも作業に時間を要する可能性があります。原状回復を円滑に終わらせるためにも、施工業者の選定から引き渡しまでの計画的なスケジュールをあらかじめ作っておきましょう。

        業者の選び方に気を付ける

        原状回復に必要な作業を業者に依頼する場合、業者の選定にも気を遣いましょう。

        業者の評判や料金を確認せずに適当に依頼してしまうと、作業費用が高額になったり、スケジュール通りに進まなくなる可能性があります。

        自社が求める業者を選択するためには、作業範囲や評判を確認するのはもちろん、相見積もりで金額を比較する必要があります。

        原状回復のタイミングでカーペットの張り替えも検討しよう

        タイルカーペットは素材の性質上、一度大きなシミや色の濃い液体をこぼすなどの汚れがついてしまうと、元の状態に戻すのは困難です。

        汚れていなかったとしても、長年使用していると毛並みが悪くなったり、ホコリや汚れが溜まりやすくなったりしています。

        ホコリや汚れが溜まりやすくなると、空気中に舞いやすくなり健康被害への懸念も強くなります。快適なオフィス環境を整えるためにも、原状回復のタイミングでカーペットの張り替えを検討しましょう。

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          タイルカーペットは原状回復が必要

          タイルカーペットは原状回復の対象となっているため、オフィス退去時に撤去もしくは復元しなければいけません。管理会社から指摘を受けないためにも、床に傷や接着剤が残らないような方法で剥がしましょう。

          タイルカーペット以外にも、原状回復が必要な作業はいくつかあります。スムーズに退去するためにも、作業前にスケジュールを作成しておきましょう。

          株式会社スミノエでは、お客様の状況に合わせた最適なタイルカーペット製作のご提案をしています。新しいタイルカーペットに張り替える予定のある方は、ぜひ当社にご相談ください。