
タイルカーペットは、専門業者を利用しなくともオフィスに設置することが可能です。ただし、事前に敷き方の知識や準備がない状態で設置を始めると、サイズが合わなかったりおかしなデザインになったりする可能性があります。
この記事では、オフィスでのタイルカーペットの敷き方について解説します。また、オフィスの床材としてタイルカーペットがおすすめな理由やデザイン例、敷き方のコツなどを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
タイルカーペットを配置する前に

タイルカーペットを配置する前に用意するものと、必要枚数の計算方法を解説します。
用意するもの
タイルカーペットの設置に必要なものは次の通りです。
- タイルカーペットそのもの
- 接着剤・両面テープ
- カッター
- ローラー
- 鉛筆・糸
- メジャー
- ヘラ
- 軍手
- マスク
これらは通常、ホームセンターで手に入れることができます。
必要枚数の計算方法
タイルカーペットの必要な枚数は「部屋の床面積 / タイルカーペット1枚分の面積」で求められます。例えば、部屋の床面積が10㎡で、タイルカーペットの寸法が1枚あたり50センチ×50センチ(0.25㎡)の場合、必要な枚数は40枚です。
ただし、必ずしもこの計算方法で確実に必要枚数を計算できるわけではありません。デザインや部屋の形状によって枚数が異なる可能性があります。
基本的なタイルカーペットの敷き方・並べ方

ここからはタイルカーペットの敷き方・並べ方を紹介します。基本的な流れは次の通りです。
- 部屋のサイズをメジャーで確認する
- ボンドを塗っていく
- タイルカーペットを貼っていく
- 壁際を処理する
部屋のサイズをメジャーで確認する
まず、目安となる部屋の長さと幅をメジャーで正確に測定します。次に、縦と横の中心に印をつけ、対面方向の中心点と線でつなぎましょう。部屋が正方形だった場合、上から見ると漢字の「田」になるように線を引きます。
部屋の大きさがわかったら、必要なタイルカーペットの枚数を算出できます。計測時には部屋の形状や凹凸を考慮し、正確な床面積を把握するようにしましょう。
ボンドを塗っていく
4分割した床に対して、1ブロックごとにボンドを塗布します。ボンドをトレイに移したて、ローラーを使って満遍なく塗っていくと簡単です。
壁際は塗らずに開けておきましょう。ボンドが白から透明になったらタイルカーペットを貼っていきます。
タイルカーペットを貼っていく
タイルカーペットを貼る際は、しっかりとボンドと密着させ、隙間なく配置することが大切です。歪んでいないか、貼り付けがゆるくないかを確認し、他のタイルカーペットも同様に配置していきます。
必要に応じて、配置作業をしながらタイルをカットし、壁際や特殊な形状に合わせていきましょう。
壁際を処理する
壁に沿って配置されたタイルカーペットは、部屋の形状に合わせて切り詰める必要があります。コーナーカッターを用いる場合、タイルカーペットを壁に押し付けてスライドするだけでカットが可能です。
通常のカッターを使う場合は、タイルカーペットに印を付けて、ラインに沿ってカットしましょう。これでタイルカーペットの設置工程は完了です。
オフィスにタイルカーペットがおすすめな理由とは?

タイルカーペットのメリットは、簡単に設置できるだけではありません。他にもさまざまなメリットがあり、オフィスの床材として最適です。
ここでは、オフィスにタイルカーペットがおすすめな理由を3つ紹介します。
騒音を軽減できる
タイルカーペットは騒音の軽減に役立ちます。他の床材に比べて吸音効果が高いためです。
オフィスでは社員同士の会話や電話の音、足音など、さまざまな騒音が発生します。静けさが求められる商談中や会議中には、少しの物音でも集中力を妨げられる場合もあるでしょう。
タイルカーペットは、会話音や軽量床衝撃音(スリッパのパタパタといった足音など)を吸収するため、快適に業務にあたれる環境を作ることが可能です。
ホコリの量を減らせる
タイルカーペットは防塵性も期待できます。カーペットのパイルには「ダストポケット効果」というホコリを包みこむ特性があるためです。日本カーペット工業組合の研究によると、カーペットを敷くことにより、ハウスダストが舞い上がる量はフローリングの10分1であることがわかっています。
参考:日本カーペット工業組合|カーペットは10分の1 ハウスダスト舞い上がり抑えます 信州大学、大阪府立産業技術総合研究所と共同研究ハウスダストはアレルギー症状を引き起こす原因になりえます。タイルカーペットを設置することによって、社員の健康を守ることにもつながるのです。
ただし、定期的な掃除は必要になります。日常的に掃除機などでゴミやホコリを吸い取り、半年に1回は洗剤などを使ってしっかりと洗浄しましょう。
掃除や張り替えがしやすい
掃除や張り替えがしやすいのも、タイルカーペットの特徴です。例えばロールカーペットの場合、洗浄するためにはすべてを剥がさなければなりません。
一方、タイルカーペットは汚れた部分だけを剥がして掃除ができます。汚れや損傷が激しく、交換しなければならない状態になっても、すべてを取り替える必要はありません。さらに、取り外しも簡単にできるため、オフィスを移転する際も原状回復しやすいといえるでしょう。
タイルカーペットのデザインやレイアウト例
タイルカーペットにはさまざまなデザインがあります。主な貼り方は次の通りです。
- 流し(順目)貼り
- 市松貼り
- ランダム貼り
- ブリック貼り
- アシュラー貼り
流し(順目)貼り
「流し(順目)貼り」は、タイルカーペットを一定の順序や方向に沿って貼り付ける方法です。すべてのタイルが同じ向きで配置されるため、均一なデザインのオフィスになります。
タイル同士を隙間なく敷き詰めれば、つなぎ目部分がわかりづらくなり、一枚のカーペットのような仕上がりにすることも可能です。クラシックでフォーマルなデザインのオフィスにしたい方は、流し貼りがよいでしょう。
市松貼り
「市松貼り」は、タイルを交互に90度回転させて配置するレイアウトです。一般的に、タイルカーペットはつなぎ目部分が目立ちにくい市松貼りが推奨されています。
隣接するカーペットタイルが異なる向きになり、チェッカーボードのような模様ができます。
ランダム貼り
「ランダム貼り」は、タイルカーペットを不規則なパターンで配置する方法です。方向や色合いを考える必要がなく、自由に配置できるため、初心者でも簡単に施工できます。
また、部分的に交換する際や、剥がしてタイルカーペットを洗う際にも、向きを気にすることなく再設置できるためメンテナンスがしやすいというメリットがあります。
ブリック貼り
「ブリック貼り」はタイルの四隅を合わせず配置する方法で、「レンガ貼り」と呼ばれることもあります。隣接するタイルが交互にずらされて配置されるため、レンガのようなデザインが形成されます。
ブリック貼りは縦長のタイルを貼り付ける際に用いられます。
アシュラー貼り
「アシュラー貼り」は、他のタイルとつなぎ目を合わせず、10〜25cmずらして配置する方法です。ずらすことによってつなぎ目が分かりにくくなり、ロールカーペットのように見えるのが特徴です。
ブリック貼りと同じで、長方形のタイルを貼り付ける際に用いられます。
タイルカーペットの敷き方のポイント

タイルカーペットは業者に頼まなくても設置できますが、初心者が施工すると、ずれたり見た目が悪くなったりすることもあります。このような事態を避けるためにも、次の点を押さえておきましょう。
- 敷く前に掃除をする
- 部屋の中心から貼る
- カットの際はカッターを使う
- 隙間を作らないように敷き詰める
- 上からしっかりと押さえる
敷く前に掃除をする
カーペットを敷く前に、掃除機や床拭きシートなどを使ってホコリやゴミを取り除きましょう。床の上が汚れていると、タイルカーペットの吸着力が弱まってしまいます。
また、タイルカーペットの上にはデスクやチェア、コピー機、機材などさまざまなオフィス用品を置くことになります。床面の掃除が必要になった場合、これらをすべて片付けなければなりません。このような手間と時間を省くためにも、はじめに掃除してきましょう。
部屋の中心から貼る
タイルカーペットは部屋の中心から配置しましょう。そうすることでバランスよく貼ることができます。
あらかじめ部屋の側面を計測し、4方向の真ん中から中央に向かって線を引くと、中心部分が分かります。
カットの際はカッターを使う
タイルカーペットをカットする際には、はさみよりカッターがおすすめです。はさみでカットすると、断面が不揃いになってしまうことが多いためです。
素材や厚み次第では、はさみで切れるものもありますが、断面がきれいな直線にならない可能性が高いといえます。カッターであれば直線でカットでき、カーペットと壁の間に隙間ができるのを防ぐことができます。カットする際は、あらかじめ鉛筆などで切る場所に印を付けておきましょう。
隙間を作らないように敷き詰める
タイルカーペットは、隣接するタイル同士の間隔を空けずに配置することがポイントです。隙間があると、カーペットがずれたり、不均一な見た目になったりしてしまうでしょう。
また、貼り始めで隙間ができたことに気がついたら、すぐに直しましょう。早めに修正しないと、その後にどんどん影響して隙間が大きくなってしまう可能性があるためです。
タイル同士の角を合わせて敷くと、隙間ができにくくなるので意識してみてください。
上からしっかりと押さえる
タイルカーペットを設置する際は、上からしっかりと抑えましょう。圧力をかけることで接着剤が均等に伸び、カーペットがしっかりと固定されます。
タイルカーペットはDIYで貼ることも可能ですが、よりきれいに貼りたい場合は、業者に依頼するのがおすすめです。その分コストはかかりますが、依頼することで社内リソースを削減できる上に、カーペットの剥がれにくさや壁際の見た目の美しさなどは、業者のほうがクオリティが高いといえるでしょう。
おすすめ業務用タイルカーペット

タイルカーペットにはさまざまな種類があり、どれを選べばよいかわからないという方には、スミノエの業務用タイルカーペットがおすすめです。スミノエは、130年以上にわたってカーペット製造に携わってきた老舗のインテリアメーカーで、機能性の高いカーペットを豊富なデザインで展開しています。
ここでは、スミノエがおすすめする業務タイルカーペットを3つ紹介します。
EXシリーズ
EXシリーズは、従来の「ECOS®(エコス)」シリーズをよりアップグレードしたタイルカーペットです。ECOS®(エコス)とはスミノエの代表的な商品の一つで、廃棄されたタイルカーペットを再利用しています。
EXシリーズは、そんな「ECOS®(エコス)」シリーズの再生材比率をより高めた商品です。主に2つの種類があります。
- EX-1000 REFLECTOR:繊細な光の反射をモチーフにしたデザイン
- EX-1100 PRISM:プリズムが描く光の屈折をモチーフにしたデザイン
環境面だけでなく、後染めした商品より耐光・耐摩耗性、耐薬品性が高い点も特筆すべきポイントです。
EXシリーズはこちら--------------
SCENERY SOUND
SCENERY SOUNDはタイルカーペットとしては珍しい、25cm×1mのサイズの長方形タイルです。長方形タイルを生かしたブリック貼りやアシュラー貼りのデザインを楽しめます。
もちろん正方形のタイルと組み合わせることも可能です。さまざまなパターンのデザインが作れるため、オフィスのインテリアをこだわりの空間に仕上げられるでしょう。
SCENERY SOUNDはこちら--------------
LXシリーズ
LXシリーズ「Future MODERN」をテーマにしており、シンプルながらも力強いデザインを追求したタイルカーペットです。モダンなデザインやシャープな無地調パターンなど、さまざまなマテリアルにマッチします。
機能性も高く、すべて防汚・撥水加工されているためメンテナンスも簡単です。中には抗ウイルス加工されているものもあり、安心して働けるオフィス空間を実現できます。
LXシリーズはこちら--------------
目的に合った敷き方でタイルカーペットを配置しよう

タイルカーペットにはさまざまな敷き方があります。今回紹介したデザインパターンを参考にして、自社の目的に合った方法で配置しましょう。
タイルカーペットをお探しの場合は、スミノエのタイルカーペットをご検討ください。スミノエは130年以上にわたる歴史と実績を持ったメーカーで、オフィスやホテルなど、さまざまな業務用空間を彩るタイルカーペットを販売しています。サンプルを依頼することも可能なので、ぜひお気軽にご相談ください。