
タイルカーペットには、比較的簡単に設置でき、床を保護できるといったメリットがあります。また、オフィス用(業務用)と家庭用に分かれており、それぞれで特徴が異なります。
この記事では、タイルカーペットのメリット・デメリットとともに、オフィス用と家庭用の違いも説明します。実際に使用する際のイメージができるよう、適切な使用場所や選び方も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
タイルカーペットとは

タイルカーペットとは、小さな正方形または長方形のタイルを組みあわせて床をカバーするカーペットの一種です。主に「オフィス用(業務用)タイルカーペット」と「家庭用タイルカーペット」に分けられます。ここでは、それぞれの特徴を簡単に説明します。
オフィス用(業務用)タイルカーペットの特徴
オフィス用タイルカーペットは、主に商業施設やオフィス向けに設計されたタイルカーペットです。
オフィス用(業務用)タイルカーペットの特徴
- 中歩行、重歩行に向いている
- 汚れにくく、制電機能や防炎機能が備わっている
- シンプルなデザインが多い
オフィス用タイルカーペットのカーペットは、中歩行・重歩行に向いています。中歩行・重歩行とは、歩行量を示すものです。
- 軽歩行:歩行量が少ない(住宅のリビングや寝室など)
- 中歩行:歩行量が比較的少ない(ホテルの客室やロビーなど)
- 重歩行:歩行量が比較的多い(通路や廊下など)
- 超重歩行:歩行量が多い(エントランスなど)
一般的な汚れやホコリに対しても耐性があり、掃除が比較的簡単です。また、制電や防炎に優れているオフィス用タイルカーペットもあります。
シンプルなデザイン・色合いのものが多いため、落ち着いた雰囲気が求められるオフィスや事務所に適しています。
家庭用タイルカーペットの特徴
家庭用タイルカーペットは、主に住宅環境で使用されるカーペットです。
家庭用タイルカーペットの特徴
- 軽歩行に向いている
- 防汚性や防ダニ性、消臭効果があるものも多い
- デザインの種類が多い
軽歩行に向いており、リビングルームや寝室、子供部屋、ダイニングエリアなどに適しています。
耐久性は、オフィス用タイルカーペットほどではありません。ただ、家庭での使用に適した機能性が備わっています。例えば、防汚性や防ダニ性、消臭効果があり、家庭環境を清潔に保ってくれるでしょう。
オフィス用タイルカーペットよりもデザインが豊富で、さまざまな色や柄、素材から選ぶことができます。
タイルカーペットのメリット

タイルカーペットにはさまざまなメリットがあります。ここでは次の5つのメリットを紹介します。
- 比較的簡単に設置できる
- 自分好みのデザインにできる
- 床を保護できる
- 掃除がしやすい
- 防音効果が期待できる
- ホコリが舞い上がるのを防げる
比較的簡単に設置できる
タイルカーペットはタイル状にカットされて販売されているため、比較的簡単に設置できます。サイズ調整もしやすく、部屋の形状やサイズにあわせて敷き詰めることが可能です。
1枚あたり1kg前後と軽量で、女性でも簡単に取り扱えます。持ち運びも便利であるほか、接着剤不要のものも多く、設置する際に床を傷つける心配もありません。
自分好みのデザインにできる
タイルカーペットはタイルを組みあわせて自分好みのデザインにできます。例えば、次のような配置が可能です。
- 異なる色のタイルを交互に配置する
- モザイク柄を作る
- 特定のロゴや模様、デザインを作る
また、間仕切りを使わず視覚的に部屋を区切る際にも役立ちます。
床を保護できる
タイルカーペットは、フローリングのキズ防止にも適しています。賃貸住宅の場合、フローリングのままだと、歩いたり物を落としたりした際に傷が付くこともあります。場合によっては、退去時に原状回復を求められ、修繕費用を支払う必要があるかもしれません。
タイルカーペットを敷いておけば、このような事態を防ぐことができます。また、転倒時の衝撃緩和や防音・吸音効果もあるため、子どもがいる家庭にもおすすめです。
掃除がしやすい
タイルカーペットには掃除がしやすいというメリットもあります。汚れやシミが付いてしまった場合、部分的にカーペットを取り外して洗浄できるため、お手入れが簡単です。
特に小さな子どもがいる場合、食べこぼしや落書きに頭を悩まされることも珍しくないでしょう。通常のカーペットだと、汚れがひどいとまるごと買い替える必要があるかもしれませんが、タイルカーペットなら汚れた部分だけを取り替えられるため、清潔に保つことが可能です。
防音効果が期待できる
タイルカーペットは足音などの音を抑える、防音効果もあります。固体音(叩いたり落としたりしたときに発生する音)を吸収できるタイプもあるためです。
防音効果を求める場合は、「△LL値」が高いタイルカーペットを選びましょう。△LL値とは日本工業規格(JIS)が定める遮音性を表す数値で、その数値が高いほど防音効果も高くなります。
ホコリが舞い上がるのを防げる
タイルカーペットは、空気中に舞うほこりを取り込んでくれます。塩ビタイルやフローリングに比べて床のホコリが舞い上がるのを防ぐため、空気をきれいに保つ効果があります。
タイルカーペットのデメリット

タイルカーペットにはデメリットもあります。主なデメリットは、次の2つです。
- 通気性があまりよくない
- 生地を硬く感じる人もいる
通気性があまりよくない
タイルカーペットには、通気性があまりよくないというデメリットがあります。構造上、床とカーペットの間に湿気がこもりやすいためです。湿度が高い場所に設置すると、カビが繁殖しやすくなる可能性があるでしょう。
生地を硬く感じる人もいる
タイルカーペットは騒音や床キズ対策に適しているものの、生地が硬いと感じる人もいるでしょう。特に、オフィス用タイルカーペットに使われることの多いナイロン糸製品は、耐久性は高い一方で硬さが増します。
ただ、生地の硬さをどう感じるかは個人の好みによって異なります。事前に質感を確かめたい場合は、生地のサンプルを請求してみましょう。
タイルカーペットが活躍する場面

タイルカーペットはさまざまな場面でよさを発揮します。ここではオフィス用と家庭用に分けて紹介します。
オフィス用(業務用)の場合
オフィス用タイルカーペットは、次の3つのシーンでの利用に適しています。
- 事務所
- ホテルのエントランス
- 教育機関や図書館
事務所
事務所は人が長時間滞在することが多いため、快適性が重要です。タイルカーペットは足の負担を軽減でき、快適な作業空間を実現できるでしょう。
事務所内には多くの電子機器やケーブルがあるのが一般的ですが、タイルカーペットなら床下に配線を引きやすいため、すっきりとさせることができます。これによりインテリア性を高めたり、ワンフロアのスペースを部署別などに分けたりすることも可能です。
さらに、オフィスを移転した際など、広さが異なる場所でも必要なタイルの枚数を変更するだけで対応できるため、新しいカーペットを購入する手間と費用を省けます。
ホテルのエントランス
耐久性が高く交換が容易なため、ホテルのエントランスにもタイルカーペットが適しています。
特にエントランスは人の出入りが非常に多いうえに、清潔感が求められる場所です。オフィス用タイルカーペットは耐久性が高いため、長期間にわたって清潔感を維持できるでしょう。
教育機関や図書館
教育機関や図書館においても、タイルカーペットは非常に便利です。オフィス用タイルカーペットは静音性に優れ、足音やノイズを軽減できる素材のタイプもあります。
また、適度な硬さがあるため滑りにくく、転倒やつまずきを防ぐメリットもあります。そのため、タイルカーペットは学習環境の向上や安全性の確保など、さまざまな側面で役割を果たしてくれるのです。
家庭用タイルカーペットの場合
家庭用タイルカーペットは、次の3つのシーンでの利用に適しています。
- 子どもがいる家庭
- ペットがいる家庭
- 賃貸マンション
子どもがいる家庭
子どもは部屋の中でも、走り回ったり飛び跳ねたりすることがあります。家庭用タイルカーペットはオフィス用タイルカーペットより柔らかいものが多いため、万が一、子どもが転倒しても衝撃を吸収してくれるでしょう。また、△LL値が高いタイルカーペットを使うことで防音効果も期待できます。
食べこぼしなどによる汚れがついても部分的に取り外して洗えるため、清潔で快適な環境を維持できます。
ペットがいる家庭
犬や猫などのペットは、足の裏にも毛が生えているため滑りやすく、フローリングなどで生活をすると足腰を痛めてしまう可能性があります。この点、タイルカーペットは適度な柔らかさがあるため、ペットの足への負担を軽減できるでしょう。
また、床材によっては、ペットの爪による傷がつくこともあります。家庭用タイルカーペットは、傷がついたり糞尿等で汚れたりしてもすぐに取り替えられるため、住宅環境を清潔に保つことが可能です。
賃貸マンション
賃貸マンションにおいても、タイルカーペットはおすすめです。多くのタイルカーペットはすべり止め加工がされており、簡単に設置できるためです。
防音性のあるタイプを選べば、隣や上下階の住人に対する騒音も軽減できるでしょう。また、取り外しが簡単なため、引っ越しの際に搬出しやすいというメリットもあります。
タイルカーペットの選び方

オフィス用と家庭用どちらにおいても、タイルカーペットにはさまざまな種類があるため、どれを選ぶべきか迷うことがあるかもしれません。タイルカーペットを選ぶ際は、次の5つのポイントに着目しましょう。
- デザイン
- パイル
- コスト
- 耐久性
- 踏み心地
デザイン
タイルカーペットは、設置場所に適したデザインを選ぶことが大切です。主に次のようなデザインがあります。
- 無地
- 柄
- ストライプ
- 自然模様 など
オフィスのように落ち着きのある洗練された印象を求めるなら、無地のデザインが最適です。一方で、温かみのある雰囲気を作りたい場合には、柔らかい色調や自然模様のタイルカーペットがよいでしょう。
また、カーペットのデザインは部屋全体の印象を左右するため、他の家具や壁の色との相性も考慮しましょう。一貫性のあるデザインを選ぶことでバランスが取れて、美しい室内空間を実現できます。
パイル
パイルとは、カーペットの表面にある繊維の長さや密度を指します。主なパイルの種類は次の通りです。
タイプ 特徴 メリット・デメリット ループパイル ループ状のパイル形状で構成されている <メリット> 弾力性があり、ヘタりにくい <デメリット> 踏み心地がやや硬い テクスチャーパイル 長短のパイルで構成されている <メリット> 踏み心地が柔らかい <デメリット> パイルのへたりが早い カットパイル パイルのループがカットされている <メリット> 柔らかく防音性が高い カット&ループパイル カットパイルとループパイルを組みあわせている <メリット> 適度な柔らかさと弾力があり、模様やデザインの種類が多い <デメリット> 値段が高い傾向にある
上記のような特徴から、ループパイルは歩行量の多い廊下やリビング、テクスチャーパイル・カットパイルは歩行量が少ない寝室などに適しています。また、模様を取り入れたい場合はカット&ループパイルがよいでしょう。
コスト
タイルカーペットの価格帯は幅広いため、予算にあわせて選びましょう。低価格帯のカーペットは経済的ですが、品質やデザインが限定されていることがあります。高価格帯のカーペットは品質が高く耐久性がありますが、コストが高くなります。
予算を抑えたい場合は、ポリプロピレン製のタイルカーペットがおすすめです。耐久性はナイロン製に劣りますが、コストを抑えることができます。主に歩行量の少ない場所に適しています。
耐久性
タイルカーペットの耐久性は、素材やパイル密度などによって異なります。耐久性を優先する場合は、ナイロン製のタイルカーペットがおすすめです。ナイロンはパイルに弾力があり、比較的高い耐久性を持っています。
購入前に素材と特性を調べておき、自身のライフスタイルや設置環境に適した、耐久性のあるカーペットを選びましょう。
踏み心地
踏み心地のよさは、パイルの柔らかさやクッション性によって左右されます。柔らかいパイルは足にやさしく、クッション性は衝撃を吸収して足腰への負担を軽減します。
踏み心地を重視するなら、家庭用のタイルカーペットがおすすめです。一般的に、家庭用タイルカーペットには柔らかいナイロン素材が多く使用されており、快適な踏み心地を感じられるでしょう。
用途にあうタイルカーペットを見つけよう

タイルカーペットは用途にあわせて選ぶのがおすすめです。ご自身にあうタイルカーペットを選び、快適な作業空間もしくは居住空間を実現させましょう。
スミノエのタイルカーペットは、防炎・制電機能があるものや防汚・撥水効果があるものなど、さまざまな種類があります。デザインも豊富なので、タイルカーペットの設置を検討している方はぜひ参考にしてみてください。