オフィス向けカーペット・業務用床材の種類と選び方。おすすめ商品もご紹介

事務所を移転する際などに、オフィスにカーペットを敷きたいもののどれを選べばよいか迷ったり、そもそも床材にこだわる必要はあるのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。

この記事ではオフィスにカーペットを敷いた方がよい理由をはじめ、オフィス用カーペットの種類や選び方、選ぶ際のポイントを解説します。

オフィスにカーペットを敷いたほうがよい理由

オフィス用のカーペットには、さまざまな効果があります。例えば、オフィスにカーペットを敷いたほうがよい理由として次の5つが挙げられます。

  • 騒音を軽減できる
  • ホコリの量を減らせる
  • 部屋の温度を保てる
  • 同じ部屋でエリア分けができる
  • 集中力を高められる

それぞれの理由について解説します。

騒音を軽減できる

オフィスには、さまざまな騒音が発生します。騒音の大きさや種類によっては、業務やコミュニケーションの妨げになりかねません。例えば、オフィスで商談を行う際など、周りの環境から発生する物音や足音によって、会議の進行や集中力が妨げられたりすることもあります。

カーペットの表面は空気を含んだ繊維の層であるため、床に与えた衝撃音の一部が吸収されます。オーストラリアカーペット協会(Carpet Institute of Australia Limited)によると、カーペット敷きの床では、騒音が20デシベル以上減少する可能性があるといわれています。

参考:Carpet Institute of Australia Limited|Acoustic Benefits of Carpet

快適な業務やスムーズな商談をするための環境として、オフィスにはカーペットを設置したほうがよいでしょう。

ホコリの量を減らせる

カーペットは、清潔なオフィス環境を維持する上でも大切です。ホコリの粒子をカーペットがキャッチして床に固定するため、空気中に舞うホコリの量を抑えることができます。実際に、カーペットを敷いた環境でハウスダストが舞い上がる量は、フローリングの10分1であることがわかっています。

参考:日本カーペット工業組合|カーペットは10分の1 ハウスダスト舞い上がり抑えます 信州大学、大阪府立産業技術総合研究所と共同研究

ホコリやアレルゲンの飛散を減少させることで、従業員の健康維持に役立ちます。また、オフィス内の美観を保ち、来客者に対してもよい印象を与えられるでしょう。

部屋の温度を保てる

カーペットは、快適なオフィス環境の実現にもつながります。カーペットを敷くことで部屋の温度が下がりにくくなるため、保温効果が期待できます。

これは、カーペットの繊維層が空気を含むことによって、断熱材としての機能を発揮するためです。特に寒冷地では、部屋をあたたかく保つために暖房費がかさみやすいため、カーペットを敷くことでオフィスの省エネにもつながるでしょう。

同じ部屋でエリア分けができる

カーペットはオフィスでのエリア分けにも役立ちます。同じ部屋でも、使用目的や部署に応じてカーペットの色を変えることで、工事や改装を行わなくても、オフィスのゾーニングが可能です。

例えばワンフロアのオフィスでも、執務スペースは青に、打ち合わせスペースは緑などにすることによって、スペースごとの機能を明示することができます。それにより、従業員はどのエリアが何のための場所かを直感的に理解できるようになります。

集中力を高められる

カーペットを敷くことで、従業員の集中力を高める効果も期待できます。実際に、三重大学大学院医学系研究科が行った研究によると、フローリングよりもカーペット上を歩いたときのほうがα波の含有率が高くなりやすいとわかっています。

参考:日本カーペット工業組合|カーペットはリラックスを与える! 三重大学大学院医学系研究科が実験検証

つまり、カーペットがあればリラックスしやすくなり、集中力の向上につながります。また、疲れにくくなる効果も期待でき、従業員の健康維持やメンタルの安定にも役立つでしょう。

業務用カーペットの種類

オフィスにカーペットを導入するなら、業務用のものを選びましょう。業務用カーペットには、大きく分けて3つの種類があります。

  • タイルカーペット
  • ロールカーペット
  • ニードルパンチカーペット

ここでは上記3つに加えて、カーペット以外の床材についても解説します。

タイルカーペット

タイルカーペットとは、タイル状のカーペットのことをいいます。小さな正方形のカーペットを複数枚敷き詰めることにより、1枚のカーペットを敷いたようにすることができます。そのため、汚れたり傷んだりした場合でも、一部分だけを取り外して洗ったり取り替えたりすることができるため、全体を取り替える必要がありません。

また、異なるカラーやデザインのカーペットを組み合わせて、好きなデザインに仕上げることも可能です。

さらに、タイルカーペットは設置が比較的簡単であり、好きなサイズに合わせてカットしやすいという特徴もあります。業者に依頼しなくても、オフィスの雰囲気や内装に合わせて簡単に調整することが可能です。

ロールカーペット

ロールカーペットは、長いシート状のカーペットです。その名の通り、大きなロール状に巻かれているため、カーペットの継ぎ目を少なくできるのが特徴です。

継ぎ目が少ないため、効率的に掃除ができ、ホコリや汚れが溜まりにくいのもメリットです。一般的に、大規模なオフィスやホテルなど広い部屋に使われます。

ニードルパンチカーペット

ニードルパンチカーペットとは、針で繊維を刺して絡める工法で作られたカーペットのことです。厚みがあり多層構造であるため、耐久性や摩耗性に優れています。歩行量の多いエリアや、家具の配置が頻繁に変わるオフィスにおすすめです。

また、遮音効果が高く、騒音を軽減することにも役立ちます。来客が多いオフィスなどの場合は、ニードルパンチカーペットが適しているでしょう。

カーペット以外の床材

カーペット以外の床材には、次の2つがあります。

  • ビニルタイプ
  • 天然素材(大理石や木)

それぞれについて解説します。

ビニルタイプ

ビニルタイプとは、塩ビ樹脂で構成されている床材のことです。デザインが豊富で、木目調や石目調などさまざまなスタイルや模様が選択できます。そのため、天然素材の代替案として使われることもあります。

ビニルタイプは耐久性が高く、傷や汚れに強いため、長寿命であることが特徴です。水に強いことから、湿気の多い環境や水がこぼれる可能性のある給湯室などに適しています。

天然素材(大理石や木材)

天然素材は、大理石であれば高級感がありスタイリッシュな雰囲気を、木材であればあたたかみのあるリラックスした雰囲気を作り出すことができます。オフィスでは、来客のあるエリアで使用されることが一般的です。

天然素材は基本的にコストが高く、定期的なメンテナンスが必要です。例えば、大理石は研磨する必要があり、木材は塗装や保護処理をすることで長持ちする特性があります。オフィスに天然素材を使用したい場合は、初期費用やメンテナンス費用を考慮しておきましょう。

【場所別】業務用カーペットの選び方

カーペットは、部屋の用途によって変えてみるのもおすすめです。ここでは場所別に業務用カーペットの選び方を紹介します。

受付・エントランス

受付やエントランスは「企業の顔」といわれるほど重要な場所です。そのため、慎重にカーペットを選ぶ必要があるでしょう。

来客に親しみやあたたかい印象を与えたい場合、ブラウン系や緑系などのアースカラーがよいでしょう。清潔感や落ち着いた印象に見せたい場合は、白やブルーといった寒色系が使われることもあります。

執務室

従業員が業務を行う執務室では、長時間のデスクワークが多い場合、グレー系のカーペットを検討してみましょう。グレーは照明の光を吸収するため、オフィス全体が落ち着いた雰囲気になり、集中力を高められます。

また、通常のデスクとは別に、業務に集中するための個別ブースを作る場合は、集中力や冷静な判断力が高まるブルー系もよいとされています。

休憩室

休憩室には、アースカラーが適しています。視覚的に刺激の少ないアースカラーは、リラックスした雰囲気を醸し出すことが可能です。

例えば、木々や植物をイメージさせるようなグリーンは、穏やかでリラックスさせる効果が期待できます。また、土や大地を思わせるブラウンは、あたたかみや快適さをもたらします。

執務スペースに程よい緊張感を持たせる分、休憩スペースでは雰囲気を変えてリラックスできるような環境にするとよいでしょう。

応接室

応接室は、来客にとって会社の印象を左右する場所です。BtoCの業態など、来客に親しみやすさを感じてもらいたい場合は、主張が少ないグレーやブラウン系のカーペットがよいでしょう。

BtoBの業態などで来客に対し専門性や権威性をアピールしたい場合、スタイリッシュな白や黒でまとめてみる方法もあります。もしもう少し色を入れたい場合は、カーペットを落ち着いたグレー系やブラウン系にして、家具の色を赤にするなどしてアクセントをつけると、メリハリのあるコーディネートになります。

会議室

会議室のカーペットは落ち着いたブラウン系にすると、緊張感を和らげることができるでしょう。また、冷静な判断ができるよう、濃い青が使われるケースもあります。

他にも、企業によっては活気のある空間にするために、オレンジなどビビッドな色を会議室に使用することもあります。ビビッドな色調はクリエイティブな思考を促進し、従業員が自由に意見を出せるような雰囲気作りに役立つでしょう。

オフィスのカーペットを選ぶポイント

オフィスのカーペットはさまざまな種類があるため、どれを選べばよいか迷う方もいるでしょう。適切にカーペットを選ぶためには、次の2つのポイントを押さえておきましょう。

  • 手入れが簡単で長持ちするものを選ぶ
  • 撤去しやすいものを選ぶ

それぞれのポイントについて解説します。

手入れが簡単なものを選ぶ

オフィスのカーペットは、手入れが簡単で長持ちするものを選ぶのがおすすめです。床材の素材によって手入れのしやすさは異なるため、選ぶ際にはその点も考慮しましょう。

例えばロールカーペットの場合、汚れがついてしまうとその範囲が小さくても部分的に取り替えることは難しいです。一方、タイルカーペットはカーペット同士のつなぎ目があるため、比較的ホコリは溜まりやすいものの、すぐに交換できるというメリットがあります。

汚れを放置すると雑菌等が発生し、オフィスの衛生環境が悪くなってしまう可能性があります。手入れや取り替えの手間を考慮して、床材を選ぶのがおすすめです。

撤去しやすいものを選ぶ

オフィスのカーペットには、撤去しやすいものを選ぶことも重要です。オフィスが賃貸の場合、解約や引っ越し時に設備を原状回復しなければならないためです。

例えば、剥がすことが難しい床材の場合、業者に依頼する費用が追加で必要になるなど、余分なコストと手間を生む可能性があります。一方、タイルカーペットなど剥がしやすい床材の場合は、簡単に撤去することができます。

短期間でのオフィス移転を見込んでいたり、物件の契約期間が短いことがあらかじめわかっている場合などは、こうした撤去しやすい素材を選ぶのがよいでしょう。

おすすめ業務用カーペット

カーペットは色やデザインだけでなく、素材や機能も重要です。求めるオフィス環境に合致するカーペットを選ぶことで、従業員のモチベーション維持につながり、新しいビジネスの創出や離職率の低下に役立てられます。

ここでは、130年以上にわたってカーペット製造に携わってきたスミノエがおすすめする、3つの業務用カーペットを紹介します。

ECOS® (エコス)

「ECOS® (エコス)」は使用済みのタイルカーペットをリサイクルした、水平循環型リサイクルタイルカーペットです。

スミノエでは、廃棄されたタイルカーペットをリサイクル工場で再資源化することに成功しました。こうした地球の資源や環境に対する取り組みが評価され、ECOS® (エコス)は次のような賞を受賞しています。

  • 「第4回エコプロアワード」経済産業大臣賞
  • 「第22回グリーン購入大賞」プラスチック資源循環特別部門大賞

ECOS® (エコス)は単に、環境にやさしいだけのタイルカーペットではありません。従来の後染めした商品に比べ耐光・耐摩託年度に優れており、耐薬品性も強いという特徴があります。さらに、二酸化窒素の暴露テストや耐光性テストでも、従来品より優位性があります。

ECOS® (エコス)について詳しくはこちら

Carpet Concierge

ホテルや医療機関、オフィスのエントランスなどに敷くロールカーペットを探している企業におすすめなのがスミノエの「Carpet Concierge」です。

Carpet Conciergeは創業130年以上を誇るスミノエの伝統的な手法と丁寧な製法を生かした、高品質なロールカーペットです。大阪府にあるホテルのW大阪や岐阜県の高山グリーンホテル、京都競馬場の馬主役員ロビーなどで使われています。

他にもさまざまな一流ホテルで用いられていますが、さまざまなラインナップがあるため、低コストで設置できる商品もあります。

Carpet Conciergeについて詳しくはこちら

HT FLOOR 2tec2®(ツーテックツー)

オフィスにスタイリッシュなデザインを導入したい場合、HT FLOOR 2tec2®(ツーテックツー)がおすすめです。HT FLOOR 2tec2®はベルギー生まれの塩ビ織カーペットです。1本に2色を表現するバイカラー糸を用いており、ジャカード織が平織調から複雑な柄物まで幅広いデザインを表現します。

優れているのはデザインだけではありません。表面にはジャカード織物特有の小さな凹凸があり、一般的な平滑の床材より滑りにくい傾向にあります。また、表面が平面的であり毛倒れがなく、キャスター付きの椅子を使用しやすい上に外観の変化も少ないです。

HT FLOOR 2tec2®(ツーテックツー)について詳しくはこちら

目的に合ったオフィス向けカーペットを選ぼう

オフィスのカーペット選びで大切なのは、その部屋やスペースの目的に合っているかどうかです。設置・撤去しやすいカーペットならタイルカーペットがおすすめです。高級感を演出したい場合は、ロールカーペットという選択肢もあるでしょう。

また、受付や執務室など、部屋の用途によってカーペットの素材や色味を変えるという方法もあります。スミノエでは今回紹介したもの以外にもさまざまなカーペットをそろえていますので、ぜひ理想のオフィス空間を実現できるカーペットを探してみてください。