タイルカーペットの素材の種類とは?おすすめの選び方や他に重視すべき点も紹介

この記事では、タイルカーペットを選ぶ際に重視したい、素材や厚み、機能性などの要素について解説します。

自社に合う最適なタイルカーペットをお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。

タイルカーペットの素材の選び方

自社のオフィスに適したタイルカーペットを選ぶ際は、素材やデザインはもちろん、機能性を重視する必要があります。まずは、選ぶ際のポイントとなる次の要素についてそれぞれ確認していきましょう。

  • 組成:耐久性などに関わる
  • パイル:デザインや踏み心地に関わる
  • 機能:目的に適した機能を選ぶ

組成:耐久性などに関わる

タイルカーペットの素材の割合を示す「組成(そせい)」は、耐久性やメンテナンスの効率に関わるため、コストパフォーマンスを考える際に重要です。

タイルカーペットの素材は、「ナイロン」「ポリプロピレン」「ポリエステル」の大きく3つに分かれます。

ナイロンは耐久性に優れている分、価格は比較的高めのものが多いです。一方、ポリプロピレンの場合、コストパフォーマンスはよいものの耐久性が低いなど、素材によって特性が異なります。

パイル:デザインや踏み心地に関わる

パイルとは、糸をループさせて織る繊維のことです。パイルの長さや密度は、カーペットの見た目や踏み心地に影響します。

例えば、パイルの密度が高いタイルカーペットは、密度が低いものと比べて踏み心地が安定しやすく、耐久性が向上します。パイルの密度だけでなく、種類や長さも影響するため、タイルカーペットの選定に悩んでしまう可能性もあります。

パイルについて決めるのが難しい場合は、カーペット専門の業者に相談してみましょう。

機能:目的に適した機能を選ぶ

タイルカーペットを選ぶ際には、設置する目的に合った機能も考慮しましょう。タイルカーペットの素材組成やパイルによって、以下の機能があります。

  • 防炎
  • 防汚性
  • 制電性
  • 耐摩性
  • 耐光性

また、施工する場所によっては、防炎機能を持たないカーペットは設置できない可能性もあります。

消防法では、次のような施設で使用するカーテンやじゅうたん等の防炎対象物品※は一定の防炎性能を持つ防炎物品の使用が義務付けられています。 百貨店、飲食店、旅館、地下街などの不特定多数の人が出入りする施設 病院、福祉施設、保育所など、容易に避難できない方が利用する施設 高さ31mを超える高層建築物 引用:消防庁「防災品」

自社の用途に合わせるのはもちろん、法律や他の階への音にも配慮したタイルカーペットを選びましょう。

タイルカーペットの組成

タイルカーペットの組成は、長期的に使用するうえで重要な要素です。ここからは、代表的な3つの素材について解説します。

  • ナイロン
  • ポリプロピレン
  • ポリエステル

ナイロン

ナイロンは石油から作られたカーペット繊維で、摩擦など外部の影響を受けにくい素材として知られています。

ナイロンカーペットは耐久性や防水性に優れているため、歩行量の多いエントランスやオフィスに適しています。

ナイロンは機能が充実している反面、1枚あたりの単価も上がるため、他の素材と比べると初期費用は高くなるケースが多いです。その分、耐久性と防水性によって掃除が楽になるため、費用面から見てもメリットのある素材といえるでしょう。

ポリプロピレン

ポリプロピレンは、石油の精製工程で発生する「プロピレン」を利用して作られたカーペット繊維です。

耐久性はナイロンと比べると低いですが、糸のほつれや汚れの掃除がスムーズにできます。価格も比較的リーズナブルなので、広範囲にタイルカーペットを敷くことを検討している方におすすめです。

一方で、他の素材と比べて耐熱性や防水性などの機能が劣るため、定期的な交換が必要となります。コストパフォーマンスを加味して選択しましょう。

ポリエステル

ポリエステルは、石油の精製工程で作られる「PET:ポリエチレンテレフタラート」を使用したカーペット素材です。

他の繊維と比べると滑らかな触り心地なので、素足でくつろげる休憩スペースなどに適しています。また、ナイロンと同じく防水性に優れているため、シミやカビの対策にもつながります。さらに、色褪せにも強いため、色合いやデザインを長く保持することができることも特徴です。

タイルカーペットのパイル

パイルは、タイルカーペットの触り心地やデザインに影響を与えます。そのため、適当に選んでしまうと、イメージしていたインテリアとのギャップが発生してしまいかねません。

タイルカーペットを選ぶ前に、パイルの種類を確認しておきましょう。

  • ハイ&ローループ
  • レベルループ
  • カットパイル
  • カット&ループ
  • レベルカット

ハイ&ローループ

ハイ&ローループは、高低差のあるパイルを組み合わせる織り方です。

ループパイルは基本的に同じ高さのパイルを交錯させる方法です。ハイ&ローループの場合、あえて高低差のあるパイルを組み合わせることで、カーペットのデザインを立体的に仕上げます。

また、歩行時のクッション性が高いため、足音を抑えたり、疲れにくい効果も期待できます。

レベルループ

レベルループは、同じ高さのパイルを高密度で織る方法です。他の織り方と比べると、繊維間の隙間が狭くゴミやホコリが入りにくくなるため、掃除の負担が軽減されます。

また、繊維間が高密度であることから耐久性も高く、歩行量の多い商業施設やオフィスのエントランスなどに適しています。

カットパイル

カットパイルは、ループパイルをカットする工法です。毛先をカットすることで、ふんわりとした触り心地に仕上がるため、肌に直接触れるバスタオルなどにも活用されています。

ただ、柔らかさがある分、パイルの交換頻度は多くなる傾向にあります。応接室などのような、使用頻度は多くないものの特別感のある空間にしたい場所に適しているといえるでしょう。

カット&ループ

カット&ループは「カットパイル」と「ループパイル」両方を採用した織り方です。

カットパイルはふんわりとした触り心地に仕上がる一方、耐久性が低いです。弾力性の高い「ループパイル」と組み合わせることで、デザインはもちろん機能性にも幅が生まれます。

カットパイル単体と比べて、踏み心地や耐久性も上がっているため、エントランスや会議室など幅広い用途で活用できます。

レベルカット

レベルカットは「レベルループ」になっている繊維の一部を「カットパイル」にする工法です。

レベルループは繊維間の隙間を狭くすることで、耐久性の向上などにつながります。ただし、平坦なデザインになるため、空間にデザイン性を求める場合は適していない可能性があります。

その点、レベルループの一部をカットパイルにしたレベルカットのタイルカーペットでは、デザインの幅が広がるため、自社に合ったデザインのタイルカーペットを注文して作ることも可能です。

タイルカーペットの主な機能

タイルカーペットの素材によっては、防炎や防汚性などの機能もあります。各機能について詳しく見ていきましょう。

  • 防炎
  • 防汚性
  • 制電性
  • 耐摩性
  • 耐光性

防炎

カーペットの中には、生地に特殊剤を加工した「防炎カーペット」があります。防災カーペットは「防炎性能基準」を参考にした試験に合格しているため、着火しにくい性質を持っています。

カーペットは一度火が付くと燃えやすく、大きな火災につながる可能性もあります。防災カーペットを採用することで、カーペットが燃え広がるのを抑えたり、避難までの時間の確保がしやすくなったりするため、リスクの低減に有用です。

万が一の事態に備え、安全確保のためにカーペットに防災機能を取り入れると安心です。

防汚性

掃除にかかる手間を抑えたい場合、防汚性のあるカーペットを採用しましょう。防汚性の有無は、カーペットの素材や織り方で決まります。

素材に関しては耐水性のあるポリプロピレンやナイロンが、織り方に関しては繊維間の隙間が少ないループパイル系が適しています。

常にオフィスやエントランスを清潔に保つことを目的とする場合、上記の素材や織り方を採用したカーペットを選ぶとよいでしょう。

制電性

カーペットから発生する静電気を極力抑えたい場合は、設置前に「制電性」の有無も確認しておきましょう。

静電気は、物質に存在するプラス・マイナス電気のバランスが崩れたときに発生(放電)します。特に、乾燥しやすい冬や電子機器の多いオフィスでは、カーペットなどの物体から放電しやすい傾向にあります。

制電性を兼ね備えたカーペットなら、通常よりも静電気の発生を抑えることが可能です。カーペットからの放電が気になる場合は、「静電マーク」のついたカーペットの導入を検討してみましょう。

耐摩性

タイルカーペットを長く使用することを重視する場合は、「耐摩性」にも注目しましょう。

耐摩性の高いカーペットは、歩行などによる摩擦や損傷に強いため、商業施設やエントランスなど歩行量の多い場所に適しています。

また、耐久性も高く長期的に使用できるため、費用対効果も高いといえます。オフィスのエントランスやデスクが並ぶ執務室への設置にもおすすめです。

耐光性

日当たりのよい場所への設置を検討している場合は、長く使用するためにも「耐光性」を考慮しておきましょう。

カーペットの素材によっては、直射日光による変色や退色につながる可能性があります。耐光性がある場合、日光やオフィスの照明(紫外線)による色褪せ防止につながります。

直射日光が差し込む場所に設置を検討している場合は、耐光性の確認も忘れずに行いましょう。

タイルカーペットの素材以外に重視すべき点

タイルカーペットの素材は、防炎や防汚性などの機能に関わる重要な選定項目ですが、素材以外にも重視すべき点は存在します。ここからは、次の3つの要素について解説します。

  • 厚み
  • デザイン
  • 価格

厚み

タイルカーペットの厚みは、歩行時の感触や断熱性、防音性に影響を与えます。中でも特に、防音性を重視している場合に考慮すべき要素です。カーペットは厚くなるほど、足音や落下音などの振動を吸収してくれるため、オフィス空間の雑音を抑えることに役立ちます。

仮に素材やデザインが気に入ったものを採用したとしても、執務室に響く雑音が大きければ、社員が業務に集中できる環境を構築できません。その結果、生産性の低下やエンゲージメントの低減などにつながる可能性もあります。

とはいえ、厚みがあればよいというわけでもありません。掃除の観点だと、薄いカーペットの方がホコリが溜まりにくく、掃除がしやすいメリットがあります。そのため、自社のオフィスが重視すべき点が何なのかを洗い出したうえで、カーペットの厚みを考えることが大切です。

デザイン

タイルカーペットのデザインは「顧客からの第一印象」に影響します。色やデザインパターンはもちろん、質感やインテリアとの相性なども考慮する必要があります。

 

例えば、カラフルなデザインを採用した場合、部屋全体を明るく活気のある印象に仕上げることができます。

また、タイルカーペットは1枚単位で購入できるため、2色のタイルカーペットを交互に組み合わせてモダンな印象に仕上げたり、方向を気にせずランダムに並べたりなど、さまざまなレイアウトを自由に楽しむことも可能です。

デザインで迷う場合は、カーペットの専門業者に相談してみましょう。また、以下の記事でタイルカーペットのデザインやレイアウトについて紹介しているので参考にしてみてください。

関連記事:タイルカーペットのおしゃれな配色例・組み合わせ例!色が与える効果も解説(※No.8の記事が公開されたらリンクを張る) 関連記事:タイルカーペットの敷き方と、きれいに敷き詰めるレイアウト方法を紹介(※No.10の記事が公開されたらリンクを張る)

価格

タイルカーペットの価格は、素材やパイルや厚みなどによって異なります。また、機能性や設置面積でも変化するため、予算に合わせた選択が大切です。

デザインや質がよくても長く使用できない場合、コストパフォーマンスが悪くなってしまいます。耐久性やメンテナンスの工数なども考慮して、自社に合ったタイルカーペットを選びましょう。

高品質なタイルカーペットならスミノエ

素材やパイル、厚みなどタイルカーペットを選ぶ際に考慮すべきポイントは複数あります。デザインや機能性にもこだわる場合、長期的に使用するためにも慎重に選ぶ必要があります。

理想のインテリアイメージは固まっているものの、どれを選ぶべきかわからない場合は、ぜひスミノエにご相談ください。

スミノエでは、お客様の要望に合わせた最適かつ高品質なタイルカーペットをご提供しております。タイルカーペットの設置を検討されている企業担当者様は、ぜひ参考にしてみてください。