
オフィスや商業施設で使用されるカーペットは、製品や種類によって厚みが異なります。カーペットの厚みが変わるだけで得られる効果も大きく変わるため、敷設する場所や目的に応じて、最適な厚みのカーペットを選ぶことが重要です。
この記事では、カーペットの厚みや分厚いカーペットのメリット・デメリットについて解説します。
さらに、オフィスでの分厚いカーペットの配置例についても紹介しますので、カーペットの厚みとその効果について知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
カーペットの厚みとは

カーペットの厚みは製品や種類によって異なります。まずは、一般的なカーペットの厚みと、分厚いといわれるカーペットの厚みについて見ていきましょう。
通常のカーペットの厚み
オフィスに敷かれるタイルカーペットのパイル長は、一般的に3~6mmです。パイルとは、カーペットの表面を形成する糸の束であり、パイル長はカーペット表面からパイルの先端までの、弾力をかけない状態での長さを指します。
また、内装建材として広く使用されているニードルパンチカーペットの厚みは、2~3.8mmです。
カーペットは、パイル長が長いほど踏み心地がよくなり、遮音性や断熱性に優れます。一方で、パイル長が短いカーペットは軽量で加工しやすく、へたりが少ないため、耐久性が高くなります。
分厚いカーペットの厚み
一般的に、パイル長が6mm以上になると「分厚いカーペット」と見なされます。この程度の厚みがあれば、地面に多少の凹凸があってもカーペットの厚みでカバーできます。
つまり、カーペットに現れる凹凸が目立ったり、破れたりする可能性が低くなります。また、分厚いカーペットは防音性に優れているため、会議室や応接室、廊下など、オフィスのさまざまな場所での利用に適しています。
【種類別】カーペットの標準的な厚み

カーペットは、種類によって厚みが異なります。ここでは、主な種類のカーペットの厚みを紹介します。
ロールカーペットの厚み
ロールカーペットは、継ぎ目が少ないことが特徴です。一般的には厚みが9mm程度で、素材によっては10~16mmのものもあります。これらは「分厚いカーペット」に分類されます。
継ぎ目が少ないため、広範囲に敷いても一体感があり、さらに厚みがあることで高級感を演出できます。そのため、応接室やホテルなど、高級感のある空間を演出したい場所に最適です。
タイルカーペットの厚み
タイルカーペットは、その名の通りタイル状のカーペットのことです。通常は50cm四方のタイルカーペットを組み合わせて、オフィスなどに敷設します。
一般的なタイルカーペットの厚みは5~6.5mm程度ですが、素材によっては10~20mmのものもあります。
タイルカーペットは、オフィスや商業施設などで最も一般的に使用されている床材です。床にボンドを塗って貼り付ける工法が一般的で、小さなタイル状のカーペットを組み合わせるため、一部が汚れても簡単に張り替えが可能です。
適度な厚みがあるため歩行音が少なく、オフィスでは会議室や休憩室などでよく使用されています。また、張り替えがしやすいことから、床の下にLANケーブルなどを配線しやすく、OAフロアにも適しています。
ニードルパンチカーペットの厚み
ニードルパンチカーペットは、針で繊維を絡み合わせて作られたカーペットです。一般的な厚みは3~3.8mm程度ですが、素材によっては6~10mmのものもあります。
ニードルパンチカーペットは厚みがあまりないため、オフィスでの使用は一般的ではありません。厚みがないことから加工がしやすく、イベント会場や展示会など、一時的に敷設されるカーペットや、工場や倉庫など重量物を扱う場所での床の保護や滑り止めとして使用されることが多いです。
分厚いカーペットのメリット

オフィスやその他の施設で6mm以上の分厚いカーペットを敷設することには、いくつかのメリットがあります。ここでは、分厚いカーペットの主なメリットを4つ紹介します。
オフィスの雰囲気を変えられる
厚みがあり、パイル長の長いカーペットは存在感があります。オフィスのカーペットは無機質になりがちですが、存在感のある分厚いカーペットを敷くことで、空間に高級感を加え、オフィスの雰囲気を一変させることが可能です。
デザイン面では、パイル長が短いカーペットはシンプルに見える傾向がありますが、分厚いカーペットなら高級感が漂い、シンプルなデザインでも空間にアクセントを加えることができます。
踏み心地がよい
分厚いカーペットは弾力性が高く、柔らかい踏み心地を提供します。足がしっかりと沈み込む感覚があり、厚みのないカーペットに比べて歩行感が心地よく、リラックスした空間を演出する効果があります。
さらに、ウールなどの自然素材を使用した分厚いカーペットには調湿効果があり、夏はさらっと涼しく、冬は暖かく空間を包み込んでくれます。
そのため、ラウンジや応接室など、リラックスできる空間を演出したい場所に最適です。
防音効果が高い
カーペットが分厚いほど、音を吸収して和らげるため、防音効果が期待できます。これにより、リラックスできる空間を演出したい場所には分厚いカーペットがぴったりです。
オフィスでは、人が歩く音や物を落とす音、階上からの音など、さまざまな音が発生します。会議室や応接室など、静かな空間が求められる場所では、こうした音が利用者や取引先に不快感を与える可能性があります。
そのため、音の発生を抑えたい場所には、音を遮断・吸収してくれる分厚いカーペットが適しています。
ホコリが舞い上がりにくい
オフィスなどでは、歩くたびにカーペットに溜まったホコリが空気中に舞い上がることがあります。しかし、パイル長の長いカーペットは汚れをしっかりとキャッチするため、薄いカーペットに比べてホコリが舞い上がりにくいという利点があります。
そのため、特に人が多く滞在するオフィスや店舗で分厚いカーペットを敷設することで、お客様に快適な空間を提供し、従業員がアレルギーを発症するリスクを軽減することができます。
空気中のホコリは目に見えにくいものですが、お客様や従業員に快適な環境を提供するためには、床材に気を配ることも重要です。
分厚いカーペットのデメリット

分厚いカーペットには多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。ここでは、その主なデメリットを3つご紹介します。
メンテナンスが難しい
パイル長が短いカーペットに比べ、分厚いカーペットはメンテナンスがしにくいというデメリットがあります。分厚いカーペットはホコリが舞い上がりにくい反面、ゴミやホコリを吸着しやすく、掃除が一層難しくなるためです。
特に、パイルの根本部分に絡みついたホコリやゴミは、掃除機で簡単に吸い取ることができません。そのため、分厚いカーペットを清潔に保つためには、掃除機をさまざまな角度からかけることが必要です。入念に掃除を行い、常に清潔な状態を保ちましょう。
毛がへたりやすい
分厚いカーペットは、その柔らかな踏み心地や遮音性の高さが魅力ですが、その反面、へたりやすいというデメリットがあります。特に、長期間オフィス機器などを置いておくと、カーペットの毛がへたってしまうことがあります。
へたった毛は、パイル長が長い分、見た目に影響を与えやすく、デザインが損なわれる可能性があります。このような場合、ヘアブラシやスチームアイロンを使って毛並みを復元することが重要です。ただし、素材によっては熱に弱いものもあるため、使用する際は注意が必要です。
商品の種類が少ない
分厚いカーペットは、一般的なカーペットに比べて種類やデザインが限られる傾向にあります。
また、パイル長が長いため、細かい柄を表現することが難しく、選べるデザインの幅が狭くなります。
オフィスにおける分厚いカーペットの配置例

分厚いカーペットのメリットを最大限に活かすためには、適切な場所に敷設することが重要です。特にオフィスでは、「応接室」「休憩室」「会議室」の3つのエリアが分厚いカーペットとの相性がよいとされています。
この3つのエリアについて、分厚いカーペットが適している理由などを紹介します。
応接室
応接室は、お客様を迎え入れるための場所です。高級感のある空間を提供することで、会社のイメージアップにもつながります。
分厚いカーペットは、柔らかな踏み心地と遮音性の高さで、応接室に最適です。お客様にリラックスしてもらい、快適な環境で商談を行えるようサポートします。
休憩室
休憩室は、従業員がリフレッシュするためのスペースです。分厚いカーペットを敷くことで、柔らかな踏み心地が得られ、リラックスしやすい環境を作り出します。
また、遮音性が高いため、他の従業員の動きによる音を軽減し、静かな空間を提供できます。
会議室
会議室では、集中して議論を行うために、静かな環境が求められます。分厚いカーペットは、音を吸収して会議中の雑音を減らし、参加者の集中力を高めます。
また、快適な踏み心地によって参加者たちの疲労を軽減し、長時間の会議でもより集中しやすい環境を作り出すことが可能です。
カーペットは厚みを確認しよう

使用する場所や目的によって、カーペットの厚みを選ぶことは非常に重要です。特に、分厚いカーペットは快適な踏み心地や優れた遮音性を提供し、オフィスでは応接室、休憩室、会議室で重宝されています。
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