ロールカーペットとは?厚みや幅、タイルカーペットとの違いをご紹介

ロールカーペットとは継ぎ目の少ないカーペットのことで、部屋全体の統一感を演出できます。タイルカーペットに比べて保温性や防音性に優れているため、オフィスやホテルなど業務用として活用されることも多いです。

この記事では、ロールカーペットの厚みや幅、素材などについて、またタイルカーペットとの違いを紹介します。カーペットの素材ごとに適した利用場所も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ロールカーペットとは?

ロールカーペットとは敷物状で継ぎ目が少ないカーペットを指します。継ぎ目が少ないことにより部屋全体の一体感を演出できるため、オフィスやホテルなどを高級感のある空間に仕上げてくれます。まずは、ロールカーペットの幅や厚みから確認しましょう。

ロールカーペットの幅

ロールカーペットの幅は、「幅3.64m×長さ」が基本サイズとなっており、中には4m前後の幅のものを取り扱うメーカーもあります。

長さは1cm単位で調整可能なので、設置したい部屋の大きさに合わせることができます。

ロールカーペットの厚み

ロールカーペットの厚みは9mmが一般的です。素材やパイルと呼ばれるカーペット表面の繊維束によっては、厚みが10mm以上のカーペットもあります。

また、メーカーにもよりますが、シルクやウールといった素材では14mm〜16mm程度の厚みのあるタイプもあります。

ロールカーペットの素材

ロールカーペットの素材にはさまざまな種類があり、主に6つの素材があります。

  • ナイロン
  • ウール
  • ポリエステル
  • シルク
  • レーヨン

それぞれの素材の特徴を確認して、自社に合うカーペットを選びましょう。

ナイロン

ナイロンとは、石油を原料として作られたカーペット繊維です。摩擦に強く耐久性が高いことから、人通りの多いオフィスやホテルのエントランスに使用されています。

また、ナイロンは吸水性が低く、濡れてもすぐに乾くため、カビの発生防止にもつながります。

ただし、乾燥機やアイロンで乾かすと変形したり、直射日光にさらすと変色したりするため、熱に対しての耐久性は低いです。ナイロン素材のカーペットが濡れた場合は、日陰で自然乾燥させましょう。

ウール

ウールは羊毛のことで、ウールの生産目的で飼育される羊である「メリノ種」の毛で作られます。

ウールは他の素材と比較して、羊毛同士が複雑に絡まり合っているため、繊維間に微細な隙間が生じます。これにより冷たい外気を遮断し、室温を保つことができます。

また、抗菌・消臭機能も備わっているため、カーペットを敷いた室内の消臭効果も期待できます。ただし、梅雨など湿気が多い季節や使いたての時期は、ウール独特のニオイがする可能性もあるため注意しましょう。

カットパイル

カットパイルとは、カーペットの毛足(パイル)がカットによってそろえられたタイプを指します。ふんわりとした柔らかさが特徴です。

その柔らかさから耐久性や弾力性が弱く、エントランスなど人通りの多い場所には適していません。応接室などのように使用頻度が高くない場所かつ、快適な空間が必要な場所に採用するとよいでしょう。

シャギー

シャギーは25mm以上の長い毛足が特徴で、柔らかい質感のあるタイプです。毛足の長さがふんわりとした歩行感のよさを演出します。また、カーペットに直接座るような休憩室にも適しています。

ただし、長い毛足にゴミが絡まりやすいため、掃除しないまま放置しておくと不衛生なため、定期的な清掃が必要といえるでしょう。

ファー

ファーは動物の毛皮や化学繊維で作られた素材です。柔らかい肌ざわりから冬用のコートにも採用されています。動物保護の観点から、近年では化学繊維を使用した「フェイクファー」も注目されています。

肌ざわりがよいだけではなく、保温性や弾力性にも優れているため、シャギーと同様に休憩スペースの使用に適しているでしょう。

一方で、直射日光や蛍光灯の紫外線に弱く、長時間当たると変色や退色の原因となります。ファー素材のカーペットを敷く際は、紫外線が極力当たらない位置を探しましょう。

ウィルトン

ウィルトンは別名「ウィルトン織り」とも呼ばれており、手織りで作られたようなあたたかい見た目が特徴です。

通常のカーペットとは異なり、次の4種類の糸を交錯して織り込むため、弾力性や耐久性に優れています。

  • 経糸(たていと):2種類
  • 緯糸(よこいと):1種類
  • パイル糸:1種類

手織り独特の高級感が感じられるため、応接室など顧客との商談で使う空間に適したカーペットといえます。

ポリエステル

ポリエステルは、カーペットやラグに最も多く使用されている化学繊維で、石油から作られています。シワになりにくく、遊び毛も出にくいため扱いやすいのが特徴です。

さらに、汚れにも強いうえに、洗えるカーペットの素材としても使われているため、お手入れがしやすいこともメリットです。

シルク

シルク(絹)は、なめらかな手触りと、カーペットの模様を引き立てる品のある光沢が特徴です。最高級の素材であるため、ペルシャ絨毯や中国段通などに使用されます。

ただ、シルクは摩擦に弱いため、業者に頼まずにお手入れをすることは難しいです。また、日光に当たることで変色しやすいため、取り扱いには注意が必要となります。

レーヨン

レーヨンは、シルクに似た手触りと光沢が特徴の素材です。パルプや綿を溶かして繊維にした再生繊維で、吸湿性や防湿性に優れており、室内を快適な環境に保ちます。また、カビの発生にも強いのが特徴です。

デメリットとしては、シワになりやすいことや、耐久性が低いことが挙げられます。また、水に弱く、濡れるとカーペットが縮む原因となるため注意が必要です。

ロールカーペットとタイルカーペットのメリット・デメリット

ロールカーペットとタイルカーペットには、どのような違いがあるのでしょうか。ここからは、ロールカーペットのメリット・デメリットと、タイルカーペットのメリット・デメリットについて紹介します。

ロールカーペットのメリット

まずは、継ぎ目が少ないロールカーペットのメリットから見ていきましょう。

  • 保温性に優れている
  • 高い防音性が備わっている
  • 見た目が美しい

それぞれのメリットについて紹介します。

保温性に優れている

ロールカーペットは継ぎ目が少ないため、タイルカーペットと比べて保温性に優れています。カーペットの繊維間には隙間があり、冷たい外気を遮断しつつ室内の温かい空気を外に逃がしません。

同じ素材の場合、タイルカーペットも同等の効果を発揮しますが、タイル同士の隙間から温かい空気が逃げる可能性があります。

保温性を重視している場合は、ロールカーペットを選ぶとよいでしょう。

高い防音性が備わっている

ロールカーペットは足音や機械の振動をキャッチしてくれるため、防音性にも優れています。そのため、執務室に採用すれば、社員が業務や会議に集中しやすい環境を作ることができます。

防音性を重視する場合は、下の階にどれだけ聞こえるかを示した指標である「L値(遮音等級)」が低い素材のカーペットを選びましょう。

見た目が美しい

継ぎ目の少ないロールカーペットは見た目が美しく、連続したデザインで空間に統一感を与えてくれます。

タイルカーペットの場合は継ぎ目が発生するため、素材に高級感があってもロールカーペットと比較すると見た目に差が生まれてしまいます。

応接室といった社外の人を招く場所に使用することで、高級感を演出したりブランディング向上に役立てたりすることができます。

ロールカーペットのデメリット

保温性や防音性に優れたロールカーペットですが、次のようなデメリットもあります。

  • 設置しづらい
  • 手入れしづらい

それぞれのデメリットについて紹介します。

設置しづらい

ロールカーペットには、自社での設置が難しいというデメリットがあります。ロールカーペットの施工方法は、次の3種類に分けられます。

施行方法 特徴
折込工法(モノボンド工法) 床とカーペットの間に下地材を敷いて固定する
シワやタルミが少ない状態に仕上がる
全面接着工法(直貼り工法) カーペットに接着剤を塗り、床に貼り付ける
シワやタルミが少ない状態に仕上がる
グリッパー工法 固定金具を壁際に固定後、下地を敷き固定する
防音性や断熱性に優れている

手入れしづらい

ロールカーペットは一度設置すると、取り外しに時間がかかるため、手入れしづらいです。時間と予算を投下したカーペットを長く使うためにも、掃除は定期的に実施する必要があります。

特に、シャギーなど毛足の長いカーペットはホコリやゴミが絡まりやすいため、掃除せずに放置してしまうと来客に不衛生な印象を与えてしまいます。

社員や顧客に気持ちよく利用してもらうためにも、週1回程度を目安に掃除しましょう。

タイルカーペットのメリット

続いて、タイルカーペットのメリットを見ていきましょう。

  • 設置しやすい
  • 独自の空間が作れる
  • 手入れしやすい

設置しやすい

タイルカーペットはロールカーペットとは異なり、1枚あたりの面積が小さいため、取り外しやすいのがメリットです。

ロールカーペットの場合、一部にシミがついてしまうとその部分だけを交換することができないため、一枚全体を取り替える必要があります。タイルカーペットであれば、汚れている箇所だけをピンポイントで取り替えられるため、時間やコスト面の負担も抑えられます。

独自の空間が作れる

タイルカーペットは複数の色や素材を組み合わせられるため、レイアウト次第でオリジナルのインテリアを楽しむことが可能です。

例えば、白と黒のタイルカーペットを交互に配置してモダンなデザインにしたり、フローリングなどの他の素材を組み合わせて床をデザインすることもできます。

こうしたオフィス空間のデザインにこだわることで、会社のブランディング向上に寄与したり、社員の働きやすさや帰属意識にもよい影響を与えたりすることにもつながるでしょう。

手入れしやすい

タイルカーペットは1枚ずつ取り外しできるため、ロールカーペットと比べて手入れがしやすいです。

食品や飲料による汚れや、毛足の劣化が気になる箇所だけを取り外して掃除できるため、清潔な状態を維持しやすくなります。

カーペットの衛生面を重視したい場合は、タイルカーペットを採用するとよいでしょう。

タイルカーペットのデメリット

取り外しが容易で手入れしやすいタイルカーペットですが、次のようなデメリットもあります。

  • 通気性が良くない
  • 踏み心地が固く感じる場合もある

通気性が良くない

タイルカーペットは床に直接貼り付けるため、下地材を挟んで設置するロールカーペットとは異なり、通気性には劣ります。

特に梅雨など湿気が多い季節は、タイルカーペットの下にカビが発生する可能性もあります。湿気がこもるのを防ぐためにも、定期的に取り外して清掃しましょう。

踏み心地が固く感じる場合もある

タイルカーペットは、ロールカーペットと比べて質感が固いため、踏み心地が固く感じられることがあります。

歩行量の多いエントランスや執務室であれば問題はありませんが、休憩スペースや応接室、待合室、ラウンジといった場所では、柔らかい踏み心地が適しているといえます。

こうした空間には、柔らかい素材を採用したタイルカーペットや、下地材を敷くロールカーペットを検討してみましょう。

ロールカーペットとタイルカーペットの用いられる場所

保温性などに違いがある「ロールカーペット」と「タイルカーペット」は、それぞれ目的に応じて適した設置場所があります。ここからは、それぞれのカーペットが適している場所について解説します。

ロールカーペットが用いられる場所

ロールカーペットは、オフィスのエントランスや廊下、ホテルの客室などに用いられています。

タイルカーペットとは異なりカーペット同士の継ぎ目が少ないため、上質かつ品のある空間を演出できます。そのため、来客を通す部屋などに採用されることが多いです。

特に、ウィルトンを採用したロールカーペットは、手織りならではの高級感を演出できるため、重要な商談で使う部屋に適しているといえます。

タイルカーペットが用いられる場所

タイルカーペットは、オフィスの執務室や会議室など社員の利用頻度が高い空間に用いられています。

経年劣化や飲料のシミなどで一部が汚れたとしても、該当箇所のタイルだけを掃除したり交換したりすることができるため、メンテナンスにかかる時間と工数を削減しやすいです。

ロールカーペットならスミノエ

自社に合ったロールカーペットを設置するためには、長さや幅はもちろん、素材も考慮する必要があります。タイルカーペットとの違いを把握しつつ、目的に応じたカーペットを探してみましょう。

スミノエでは、お客様の使用用途に合わせた素材や大きさ、価格に合わせた最適なカーペットを提供しています。自社にカーペットの設置を検討している方は、ぜひ参考にしてください。