床材シート(フロアシート・フローリングシート)の選び方と綺麗な貼り方

床材シート(フロアシート・フローリングシート)にはさまざまな種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自身の目的にあった床材シートを選ぶことが大切です。

この記事では、床材シートの選び方ときれいな貼り方を紹介します。シートを貼るコツも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

床材シート(フロアシート・フローリングシート)とは

床材シートとは、フローリングやタイル、石材などのデザインが印刷されたシートのことを指します。

例えばフローリングの色を明るい色から濃い色にしたり、木目調から石材へとデザインを変えたりしたいときに床材シートは便利です。床は部屋の中でも大きな面積を占めるため、床材を変えるだけで部屋全体の印象が一気に変わります。

この床材シートは、見た目が本物の材質とほとんど同じで、一見その違いがわかりにくいほどです。さらに、天然素材を使用するよりも手軽かつ経済的に美しい床を作ることができます。

また、床材シートはDIYにも適しています。比較的簡単に取り扱えるため、DIY初心者の方でもおしゃれで魅力的な空間を作り出せるでしょう。

床材シートの種類

床材シートは、主に次の2種類があります。

  • クッションフロア
  • 長尺シート

ここではそれぞれの特徴と、メリット・デメリットもあわせて紹介します。

クッションフロア

クッションフロアは、柔らかくクッション性のある素材で作られた床材シートです。主に、木目調やタイル調などのデザインが印刷されています。

クッションフロアのメリット

クッションフロアのメリット
  • 足の負担を軽減し快適に歩くことができる
  • お手入れが簡単で水に強い
  • 比較的簡単に施工できる

クッションフロアはクッション性のある素材でできている床材シートのため、足腰への負担を軽減できます。また水に強く、液体がこぼれた際にも簡単に拭き取れるのでお手入れが簡単です。

さらに消臭効果があるタイプを選べば、トイレやペットがいる部屋などでも、臭いを吸着・分解してくれます。比較的簡単に施工できるため、自分で床をDIYしたい方にもおすすめです。

クッションフロアのデメリット

クッションフロアのデメリット
  • 品質に差が出てしまうこともある
  • 硬い物が落ちると傷つく場合がある

クッションフロアは価格帯が幅広く、品質に差が出てしまうことも少なくありません。例えば、低価格の製品は耐久性が低い可能性もあるでしょう。

また、クッションフロアは柔らかい素材でできているため、硬い物が床に落ちると傷つく場合があります。家具や重い物は慎重に取り扱いましょう。

長尺シート

長尺シートは、柔軟性がありながらも硬い素材でできていることが多い床材シートです。

長尺シートのメリット

長尺シートのメリット
  • 耐久性に優れている
  • 素材によっては耐薬性や帯電防止などの特性がある
  • 簡単にメンテナンスできる

長尺シートは耐久性に優れた床材シートで、土足で歩行する場所に適しています。そのため、人の出入りが頻繁な商業施設やオフィス、学校などで利用されています。

さらに、一部の長尺シートにはクッション性が備わっているため、長時間の立ち作業にも向いています。耐薬性や帯電防止などの特性がある長尺シートもあり、幅広い用途で使うことができるでしょう。メンテナンスも簡単で、頻繁にワックスをかける必要もありません。

長尺シートのデメリット

長尺シートのデメリット
  • 非常に重い
  • コストがかかる

長尺シートは非常に重いため、素人が上手に敷くことは困難です。専門的な施工技術や道具が必要であり、慎重な作業が求められます。施工の際には業者に依頼することが一般的です。

また、強度が高く耐久性がある一方で、価格が比較的高いこともデメリットとして挙げられます。

床材シートのメリット・デメリット

天然素材の代わりに床材シートを使用することには、さまざまなメリット・デメリットがあります。

【メリット】コストを抑えられる

床材シートの主なメリットは、コストを抑えられる点です。天然の素材を使用するのではなく、シートを貼るだけなので、リーズナブルな費用で対応可能です。

施工も比較的簡単であり、時間的なコストも抑えることができるでしょう。DIYに慣れれば自分で取り付けることもできるため、業者に頼ることなく、施工コストを大幅に節約できます。

さらに取り替えも容易で、床をリニューアルする際にも他の床材と比べてコストを抑えられるでしょう。古くなったり傷がついたりした床材を簡単に交換できるため、メンテナンスの負担を軽減できます。

【メリット】豊富なバリエーションがある

床材シートにはさまざまデザイン、カラー、模様があるため、自分の好みや部屋のスタイルにあわせて床の見た目を変えることができます。

例えば、木目調の床材シートを選ぶことで、自然な温かみが感じられる空間を作り出せます。大理石調のデザインを選べば、高級感のある雰囲気を演出できるでしょう。子ども部屋には、カラフルなパターンやキャラクターデザインの床材シートを選ぶことも可能です。

【デメリット】天然の質感を楽しめない

床材シートは合成素材から作られており、天然素材の床材が持つ風合いや質感を楽しむことはできないでしょう。例えば、木質フローリングの持つ本物の木目や木の質感などは再現しきれません。

天然素材の温かみや風合いを楽しみたい場合には、本物の床材を選ぶことがおすすめです。

床材シートの選び方

床材シートは、デザインまたは性能で選ぶという方法があります。ここでは、それぞれ選び方について解説します。

デザインで選ぶ

床材シートは部屋の用途や雰囲気に合わせて、適切なデザインを選びましょう。例えば、フローリング調のデザインやタイル模様、木目調、大理石模様など、さまざまなスタイルが選択肢としてあります。ナチュラルな雰囲気なら木目調に、高級感を演出したい場合は大理石などを選ぶのがおすすめです。

自分が実現したい部屋の雰囲気をイメージして、それに見合ったデザインを選びましょう。

性能で選ぶ

床材シートを選ぶ際には、デザインだけでなく性能も重要です。使用場所や用途に応じて耐水性や耐摩耗性、耐汚染性など、必要な性能を考慮して選択しましょう。

中には、次のような性能に特化した床材シートもあります。

  • 傷がつきにくい
  • 滑りにくい
  • コーティングされており汚れにくい
  • 凹みにくい
  • 床暖房に対応できる

また、土足か素足かなども考え、厚みやクッション性も検討してみてください。オフィスや店舗のように土足で使用する場所の場合は、耐久性が大切です。家庭などの素足の場合は、汚れにくさや快適性も重視する必要があるでしょう。

床材シートの貼り方

床材シートは自分で貼ることも可能です。主な手順は次の通りです。

  1. シートを仮敷きする
  2. 余ったシートをカットする
  3. 基準線を引く
  4. 2枚目以降のシートを仮敷きする
  5. 両面テープを施工場所に貼る
  6. 床材シートを貼る
  7. 継ぎ目部分をカットする

それぞれの手順について解説します。

1.シートを仮敷きする

まずはシートを仮敷きしましょう。床の上にシートを敷き、デザインや位置が合っていることを確認してください。壁際の両端は、10cmほど残して切り離します。

壁が平らでない場合、形状に合わせてカットしましょう。カットする際には、地ベラやカッター、CFカッターなどの道具が役に立ちます。シートが床にしっかりとフィットし、隅々まで確実に敷き詰められるよう、注意深く作業を進めます。

2.余ったシートをカットする

カッターなどを使用して、シートの余っている部分をカットします。

ここでのポイントは、シートが床にぴったり収まるよう正確に調整することです。特に、壁際や角など狭いスペースにシートをフィットさせるためには、正確なカットが大切です。

3.基準線を引く

1枚目の端に沿って、ペンやチョークで基準線を引きます。この基準線は両面テープを貼る際の目印となります。正確に基準線を引くことで、仕上がりがきれいになります。

基準線はシートの幅に合わせて設定し、しっかりと目立つようにしましょう。

4.2枚目以降のシートを仮敷きする

2枚目以降の床材シートも、1枚目と同様に仮敷きします。余分な部分はカットし、シートとの継ぎ目がきれいに合うよう調整しましょう。

柄や模様が連続している場合は、ズレないように心がけてください。

5.両面テープを施工場所に貼る

床材シートをしっかりと固定するために、両面テープを施工場所の周囲に貼ります。施工場所の一辺から半分ずつ、テープを貼っていくことがポイントです。

テープを均等に配置し、シートが滑らないようにしましょう。しっかりと両面テープを貼り付けておくことで、床材シートがずれたり浮いたりするのを防ぎます。

次に、両面テープの剥離紙を剥がします。シートとシートのつなぎ目(ジョイント部分)はまだ剥がさないようにしてください。先に剥がすと、つなぎ目の仕上がりが雑になってしまいます。

6.床材シートを貼る

床材シートを貼る際は、まずシートを蛇腹状に折りたたみ、持ち上げます。そして、シートを床に敷き、壁際にしっかりと合わせて手で入れ込みます。

次に、撫でバケやローラーを使用して、シートを床に圧着しましょう。均等に力をかけながら、シート全体が床に密着するようにしてください。

7.継ぎ目部分をカットする

最後に、つなぎ目部分をカットします。上側にあるシートを注意深くめくり、下側に残った余分な部分を取り除きましょう。そうすると、継ぎ目が隠れて美しい仕上がりになります。

仕上げはローラーで圧着してください。慣れれば1部屋を1時間半程度で完成させることができるでしょう。

床材シートを貼るコツ

床材シートをきれいに貼るにはコツがあります。次の3つのコツを意識して作業してみましょう。

  • あらかじめ床を掃除しておく
  • 部屋を温めておく
  • 正確な寸法を測定する

それぞれのコツについて解説します。

あらかじめ床を掃除しておく

床材シートを貼るときは、床の表面を掃除し、ホコリや汚れを取り除いて平らな状態に整えておきましょう。汚れや障害物が床に残っていると、シートが正しく密着せず、不均一な仕上がりになる可能性があります。

完璧に掃除したつもりでも、髪の毛や小さなゴミが落ちていることも多いです。あとから汚れに気付くと、取り除くのが非常に困難です。粘着ローラーやハンディクリーナーで細かいところまできれいにするようにしましょう。

部屋を温めておく

床材シートを貼る作業をする前に、部屋を温めておきましょう。床材シートが柔らかくなり、貼り付け作業が行いやすくなります。

寒い季節や冷たい床の場合、シートが硬くなり、作業しづらくなる場合もあります。部屋を温めておくことでシートがしなやかになり、滑らかに貼り付けることができます。

もし床材シートが固くなってしまった場合は、温かい部屋でしばらく広げておきましょう。

正確な寸法を測定する

床材シートをカットする際は、正確な寸法を守ることが大切です。寸法が合わないと、シートが不足したり余分になったりしてしまうでしょう。メジャーや直尺を使って正確な寸法を測ることをおすすめします。

カットする際も、100円ショップなどの安価なカッターではなく、DIY用のものを使いましょう。床材シートによっては厚みがあり、安物だとカットに苦戦してしまう可能性があります。

好みの床材シートを選んでDIYをしてみよう

床材シートを使うことで、天然素材のフローリングやタイルで施工するのに比べてコストを抑えることができます。また、豊富なバリエーションがあるため、自分好みのデザインに空間を作り上げることが可能です。

ただし、大切なのは床材シートの選び方です。デザインや性能から、自分の目的に合った床材シートを選択しましょう。スミノエでは、豊富な床材シートを用意しています。防汚コーティングが施されたワックス掛けが不要なタイプや、無垢材の木目を美しく再現したものなど、デザインも機能も幅広くご用意しております。ぜひ床材選びの参考にしてみてください。