社会性リスクマネジメント

 住江織物グループは、リスクマネジメントを重視した経営を行っており、2017 年度は国内事業所のリスクアセスメント、海外子会社のリスク、知的財産権などに関する活動を行ってまいりました。

事業継続計画(BCP)の進捗

 当社グループでは以前より、災害発生時に企業としての信頼の継続のためには、お客様への迅速で正確な情報発信をキーとして捉え、安否・被災状況などの情報収集を重視したBCP行動計画の策定に取り組んでまいりました。住江織物(株)本社ビルでは、社内緊急連絡ルールに従って社員の安否を確認する「BCP安否確認訓練」を継続して実施し、緊急事態発生時の動作の確認を特に重視しております。
 2018 年 6 月に発生した大阪北部地震発生時には、これまでに定めている訓練通りの安否確認方法が機能し、対策本部にて社員全員の安否を速やかに確認することができました。
 今後は、安否確認訓練をグループ全体に展開し、緊急事態発生時の会社指示の伝達方法と、より確実な安否確認ルールを確立してまいります。
※BCP:Business Continuity Planningの略称で、災害や事故等の緊急事態が発生した際に事業の継続や復旧が速やかに行えるよう策定される計画。

対策本部
対策本部

知的財産権の取り組み

 知的財産には特許、実用新案、意匠、商標などがあります。
 事業を継続的に展開するには、事業計画の基に企画、営業、研究開発、製造が連携し知的財産を権利化すること、そして他社の知的財産を把握し対応することが必要です。これら二つの観点から知的財産のリスクマネジメントに取り組んでおります。
 具体的には、社内イントラネット上に「知的財産NEWS」を発行し、特許出願(発明内容の整理)、商標の類否、特許情報(公報と実施内容の比較)、不正競争防止法などの知的財産教育を行っております。また定期開催している技術会議(奈良・大阪)で、関連特許の紹介や知的財産に関する事柄を紹介しております。
 今後も事業分野に係る特許出願・権利化を推進することで、事業を守り競争優位に立つべく推進してまいります。

国内事業所のリスク管理

 国内事業所のリスクマネジメントについては住江織物(株)およびグループ会社より提出されたリスクに基づき財務諸表の重要な虚偽表示のリスクを中心として把握を進め、そのリスク評価を財務統制委員会にて検討し、経営会議でも認識しております。国内事業所においては内部統制の運用において、一定レベルまでリスク軽減はできてきておりますが、今後はIT化を推進し各リスクを軽減する体制を確立させてまいります。

海外子会社のリスク管理

 リスクマネジメント(以下、RM)について、活発な活動を継続しているSPM(中国)と今期から取り組みを開始したSST(インドネシア)の活動状況をご紹介いたします。

SPM(中国):モデルケースとして着手し、RM構築手法を確立し5年目

 過去 4 年間「火災対応」「人材流出の防止」「原価低減」「仕入先管理強化」をテーマとし取り組んでまいりましたが、2017 年 10 月にコンプライアンス徹底のための中長期プランの内部統制再構築の 1 つとして外部監査法人による監査強化を行った結果、様々な指摘事項を受け内部統制の脆弱な部分が明確となりました。2017 年度はその指摘事項をリスクと捉え「企業管理改善および企業リスク回避」を目標とし、指摘事項に対応すべく業務改善に着手いたしました。指摘事項を優先度と難易度で区分し、進捗を毎月RM委員会にて確認し、優先度の高いものおよび容易に着手できるものから取り組み、改善を進めております。

現地往査時の様子
現地往査時の様子
産業廃棄物の専用置場確保
  • 改善前SPM 産業廃棄物の専用置場確保1 改善前
  • 改善後SPM 産業廃棄物の専用置場確保1 改善後
  • 改善前SPM 産業廃棄物の専用置場確保2 改善前
  • 改善後SPM 産業廃棄物の専用置場確保2 改善後

SST(インドネシア):RM導入初年度

 住江織物(株)情報管理部主導のもと、5 ヵ月間の外部機関による生産革新支援が実施され、その後の状況を現地往査にて評価いたしました。一部乱雑だった自社工場内の状況は改善されましたが、外部倉庫の管理が不十分で棚卸差異の発生原因になっていると判断し、バーコード&ハンディターミナルを使用した棚卸システムの導入手法を提案し実施いたしました。今後はQRコード化および入出庫管理へと展開していく予定です。

外部倉庫内の整頓
  • 改善前SST 外部倉庫内の整頓 改善前
  • 改善後SST 外部倉庫内の整頓 改善後
バーコードを用いた管理
SST バーコードを用いた管理

 このように、高リスクの領域を対象に効果的かつ効率的な現地往査を実施し、監査視点によるモニタリングも併せて行うことにより、海外子会社のRM強化を図ってまいります。