トップメッセージ

135年の伝統と技術とともに、新しい分野へ挑戦します。

はじめに

 平成最後の年は、天災が多い 1 年となりました。大阪府北部を震源とする地震、平成 30 年 7 月豪雨、台風第 21 号および北海道胆振東部地震により、亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。明治 16 年に創業した当社は、皆様に支えられ、これまで天災や世界大戦、経済危機など、数々の苦難を乗り越えてまいりましたが、改めて災害に対するリスク管理の重要性を認識しております。当社は、以前より、安否・被災状況などの情報収集を重視したBCP行動計画を策定しており、社内緊急連絡ルールに従って安否確認訓練を実施しております。災害発生時、従業員とその家族の身の安全を確認すると同時に、お客様への迅速で正確な情報発信ができるよう、グループ全体で対策の強化に取り組んでまいります。

第 5 次中期 3 ヵ年経営計画「2020」

 当社は、「企業ガバナンスの再構築」と「事業の成長」という 2 つのテーマのもと、第 5 次中期 3 ヵ年経営計画「2020」を 2017 年 6 月よりスタートいたしました。

「企業ガバナンスの再構築」

 経営幹部と従業員が情報共有し、双方向コミュニケーションを図りながら一体となって諸問題の解決にあたる体制づくりを最も重視しております。誰もが同じ目線で課題を把握できるよう、「週報」・「月報」を全社統一フォーマットにし、また経営幹部が各現場に赴き、従業員と直接意見交換を行う「歩き回る経営」を実践しております。併せて「働きやすさアンケート」や「中堅社員による職場環境改善プロジェクト」などを実施しており、より風通しの良い企業風土の醸成に取り組んでおります。また、収支や在庫といった情報をタイムリーに把握し、経営判断に活かせるよう、グローバルで基幹システムの再構築を進めております。

「事業の成長」

 「取扱い商材の拡大」「グローバル化の強化」「高付加価値商材の開発・販売」を軸に、カーペットと自動車・車両向けシート地の製造・販売をコア事業に据え、新規商材の開発や積極的な海外展開を図っております。「グローバル化の強化」の施策としては、2018 年 4 月にタイ・チェンマイにて、カーマット製造事業を開始いたしました。自動車内装事業では、現在 6 ヵ国 12 ヵ所に拠点を設けており、今後もグローバルで最適な供給体制を構築し、国際競争力を強化してまいります。

環境への取り組みについて

 1980 年、当社が初めて世に出した国産タイルカーペットは、当時としては画期的な商品として注目を集め、オフィスなどで広く利用されるようになりました。発売当初は、タイルカーペットの裏材にアスファルトを使用しておりましたが、その後、技術の進歩に伴い、ポリ塩化ビニルを使用した商品が登場、現在のタイルカーペットの主流となりました。しかしながら、使用済みタイルカーペットは埋め立て処分する他なく、世界的な環境意識の高まりを背景に、当社はより環境にやさしい商品の開発に取り組んでまいりました。
 2011 年、試行錯誤の末、独自技術による水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS®(エコス)」をリリースいたしました。ECOS®は、裏材に使用済みタイルカーペットを再資源化したポリ塩化ビニルのリサイクルパウダーを使用し、世界でも類を見ない、最大 84% という高い再生材比率を達成しながら、コストは従来品と変わらず、デザイン面でも高い評価をいただいております。
 同一商品内で「生産→使用→再生」を繰り返す、クローズド・ループ・システムを確立する、そうしたメーカーとしての「つくる責任」を果たすため、これからも「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+A(アメニティ:快適さ)」を開発理念として、チャレンジしてまいります。

伝統とチャレンジ

 当社グループは、日本のインテリアのパイオニアメーカーとして、「空間を彩り、質の高い生活を提供すること」で、創業以来 135 年にわたって事業を続けてまいりました。昨今では、さらなるグローバル展開や、浴室向けオレフィン系床材をはじめとした非繊維分野への事業拡大にも積極的に取り組んでおります。
 新しい領域へと飛躍を続ける一方で、当社は現在でも国会議事堂や迎賓館といった日本の伝統工芸美術の粋が集まる建築物に、手織り絨毯などの美術織物を納めております。当社の祖業であり、また日本の歴史的産業でもあるこの伝統技術を守り、育んでいくことは、当社による文化への貢献と考えております。
 今後も、持続可能な社会の実現にとって必要とされる企業であり続けられるよう、住江織物グループは邁進してまいります。

2018 年 12 月

住江織物株式会社代表取締役会長兼社長吉川 一三