時代・人・くらし。エピソードで織りなすスミノエ百年緞通ものがたり。
大正自動車産業の夜明けに参画し、戦争の苦難を乗り越えて再生。

目覚ましい経済復興の風に乗り、カーペットは生活者の必需品へ。

戦争による荒廃から立ち上がった日本は、ハングリー精神と勤勉さ、そして果敢な工業的革新により、世界中が驚くような猛スピードの復興をとげ、昭和30年代には高度経済成長に突入。
その後、東京オリンピック、万国博覧会といった国をあげてのビッグ・イベントを成功させ、国民の所得も増加。一億総中産階級時代という言葉も広まりました。生活の洋風化もさらに進み、カーペットは高級品から生活必需品へとシフトし、住江織物の企業活動も大きく変貌しました。

タフティングカーペット機導入
 1954(昭和29)年、当社は日本で初めて大量生産型タフティングカーペットマシンをアメリカから導入しました。この機械で織られた量産型の敷物を総称して、タフテッドカーペットと呼びます。「平均的な係長級のサラリーマンがボーナスで買えるカーペット」をコンセプトに、小売価格を4畳半1枚で9,900円に設定(当時値)。
 従来オーダーメイドであったカーペットの生産が、レディメイドに変わる転機となりました。

大量生産型タフティングカーペットマシンのイメージ

「タフトン」カーペット発売!!
 新しいじゅうたん「タフトン」の発売にともなった当時の広告はブームに。和風から西洋文化へ、ライフスタイルを一変する画期的な挑戦だと話題になり、それまで高級品であったカーペットが一般家庭にまたたく間に普及したのです。

タフテッドカーペットとは?
 米国で開発された大量生産を可能にした織り方で、1950年代以降に飛躍的に発展。織り上げていくのではなく、既にある基布に多数のミシン針でパイルを植え付ける刺繍方式です。
 生産速度はウィルトンの約30倍。無地が主流でしたが、近年コンピュータの導入で、色柄に変化をもたせたタフテッドが大半となりました。

新しいじゅうたん「タフトン」の発売にともなった当時の広告イメージ

新幹線
 日本初の鉄道車両用のシート地を手掛けた功績により、国鉄で採用され、それ以降、国鉄はもとより私鉄に至るまで一世紀以上にわたり、当社は鉄道車両内装材のトップシェアを誇っております。
 国鉄時代の1964(昭和39)年には、東海道新幹線の開業と同時に、“夢の超特急”と謳われた0系新幹線のグリーン車・普通車にシート地を納入しました。

新幹線のイメージ

住江織物が自動車を製造!?
 あまり知られていないことですが、来るべきモータリゼーションの時代を先取りするため、1955(昭和30)年、当社は2シーターのオープンカーを製造販売しました。その名も「フライング・フェザー」。「最大の仕事を最小の消費で」を目標に小型化・軽量化に取り組んだミニカーでした。
 当時、日産のダットサンセダンなどの自動車ボディ製造を手がけていた当社子会社「住江製作所」が製造。量産には至りませんでしたが、リスクを怖れず、新しい分野にチャレンジしていく住江織物の企業精神のシンボルとして記憶されるエピソードです。

2シーターのオープンカー「フライング・フェザー」

昭和新宮殿に手織り緞通納入
 昭和新宮殿「豊明殿」は、皇居宮殿の殿舎の一つで、大饗宴が催される時に使われます。宮殿のホールでは最大のスケールを誇る宴会場で、宮殿内で最も広い部屋とされ、一棟一室となっています。このホールに、当社が1968(昭和43)年、日本画家・杉山寧氏原画の豪華で重厚な手織り緞通を納入しました。床面には、草を図案化した杉山寧デザインの支那式緞通(22×38m/836㎡)約540畳が敷きこまれています。広大な床面積のため、巾約7m、長さ約37mの緞通が三枚はぎ合わされました。製織は、延べ1万人を要する大掛かりなもので、6500万粒を一粒一粒結んでいき、完成までに9カ月をも費やした大作でした。

昭和新宮殿に手織り緞通納入イメージ

奈良工場建設
 昭和40年代、日本の経済は高度成長から安定成長へと転じ、情報、レジャー産業とともに住宅産業が脚光を浴び始め、カーペット、カーテンの需要も生産に拍車がかかりました。新しい時代の要請に応えるためには、これまで一貫して主力工場の座にあった住吉工場から、より広大な土地と近代的設備が必要になりました。当時大きな社会的問題となってきた環境保全、公害規制の観点からも会社としては抜本的な対応にせまられ、当社は法隆寺の東南約3kmの地に、3万坪の土地を取得。1970(昭和45)年に奈良工場建設に着手しました。翌1971(昭和46)年9月、新生・奈良工場が完成。ここに当時として東洋最大の無公害カーペット工場が船出しました。

奈良工場建設のイメージ

国産初タイルカーペット
 1980(昭和55)年、国内初のタイルカーペットの生産を奈良工場でスタート。一定のサイズのカーペットをタイル状に敷き詰めていくことでカラフルなモザイク模様が表現でき、さらに傷んだ部分の敷き替えが簡単にできる画期的な商品として注目を集めました。
 現在では、再生材料比率が最大77%、CO2削減率が42%(当社従来比)に達する、世界でもトップクラスのエコタイルカーペット「ECOS®(エコス)」が主力商品になっています。

国産初タイルカーペットのイメージ