住江織物創立百周年記念サイト~住江物語り~

歴史をいつくしみ、振り返ることから未来へのチャレンジが見えてきます。

住江織物の歴史を振り返って感じることは、「先を見越したビジネスに着手しているな」ということです。世の中の変化を分析し、成長の方向を読みとり、そこに事業の軸足を一貫して置いてきました。インフラ事業が盛んだった明治の創業時、帝国議会議事堂や鉄道といった社会の近代化の要請に応える形でビジネスをスタートしました。その後も、時代の変化を予測しつつ、世の中の動いて行く方向へ軸足を置いて、成長の果実を収穫してきたのが住江織物の歩みだと思います。他に一歩先んじて行動を起こすというチャレンジ精神は非常に旺盛で、「何でもやらせてやろう」という社風の中で社員は非常に前向きに挑戦していくことができました。それが住江織物という会社が長く続いてきた理由だと思います。

わが社の百年の歩みの中で私が最大のエポックだと考えるのは、昭和30年代にカーペットの大衆化に踏み切ったことです。それまで「カーペットは贅沢品、高級品」というイメージが人々のあいだに強くありました。官や富裕層の要請に的を絞って進む方がビジネスとしては楽なのでしょうが、先達の経営者はリスクも資金もつぎ込み、業界の先陣を切って工業化に踏み切ったのです。それは自社のブランドを立ち上げ、B to Cのビジネスモデルへの挑戦でした。時代の風向きに乗ったとも言えますが、それを読んで踏み切ったのは経営者の決断です。そして、ほぼ同時に自動車内装材への進出に踏み出し、今に繋がっています。

会社には一つの幹があり、さまざまな滋養で枝が出て葉が茂り成長していきます。幹が腐ると会社が腐ります。長い歴史を持つ会社の幹は、おしなべて健全で「まとも」なものです。わが社においても、ものづくり、販売手法などすべてにおいて、お客様を決してだまさず、時代の要請に応え、業界全体の発展に資するという幹が確固としてあります。そのようなビジネスの正道を歩む営みが、住江織物百年の歩みを振り返ると見えてきます。
 さらにわが社の歩みを眺めて改めて感じるのは、オンリーワンをめざすチャレンジ精神の強さです。昭和から平成に移る頃、ペットボトルから糸を自社生産することに挑戦したのは、独自のものづくりへの取り組みであり、同時に環境に良いことをやろうという姿勢の合わせ技でした。これには設備投資が必要とされ、短期的な採算性は厳しかったのですが、自社の利益追求だけではなく、世の中に広く貢献していこうという企業マインドは、これからも受け継がれるべき住江織物という会社のDNAと言えるでしょう。

このたび百周年記念誌を発行するに際して社員に伝えたいことは、現状の組織体から競争力を作り出さないといけないということです。エネルギー、災害リスク、カントリーリスク、少子化、高齢化などさまざまな問題が私たちのまわりにあります。そういった問題を直視し、その解を自分なりに考え、先人たちのように先を見越したアクションをとらないと成長はありません。人材は現場でこそ鍛えられます。チャレンジも現場から出てきます。生産の場だけではなく、販売も経理も、コトが起きるところが現場です。
 社員には「会社をうまく活用して自分も成長しなさい」と言いたい。住江織物は、社員にやさしいとは言いませんが、社員の成長を大切にする会社だと思います。

人は人と出会い、つながることによって成長していくように、会社も単独では伸びていくことはできません。お客様、株主様、コラボレート企業様、その他さまざまな関係各位のご協力、お引き立て、ご鞭撻に恵まれてこそ、当社は百年以上にわたり住江織物という“絨毯”を織り続けてくることができました。この場を借りて深くお礼を申し上げます。そして、新たな百年に向けて、成長と繁栄を合い言葉に、共なる歩みを紡がせていただきたく心よりお願い申し上げます。